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  現場取材
岡町の家をつくる -棟梁 中谷禎次-
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3.家族で住まうということ
―土地のもつ言葉を読み取る―
「岡町の家」は不思議な土地に建っている。
街並みも古くて、大きな家もあれば新しいマンションが建設されつつあったりする。
阪神淡路大震災以後、建て直しや建て替えが進んでいるという話も聞く。
たくさんの住宅が並んでいながら、所々緑が残されていたりもする。
車があまりスピードを出せないような道を歩き、角を曲がると長い下り坂がある。
その先の三叉路の突き当たりに「岡町の家」がある。
正面からは戸建住宅の並ぶ通りの一画に見えたが、中に入ってみると、
向こう側には賃貸住宅なども見え、やはり岡町という不思議な街の雰囲気がある。
何よりも驚いたのがこの土地の形状である。
緩やかな下り坂から予想できないほど敷地が下に落ち込んでいる。
正面からは3階建てに見えていた建物は実は地下にも続いているのである。
ここに住まうのは設計者である竹原義二氏とその家族である。
周辺の環境や敷地の形状、その土地のもつ意味を探りながら選ばれたのが、
岡町のこの場所であった。
限られた敷地面積で住まうためには、立面・断面的な広がりをもつことが
大切であるが、木造となると上は3階建て程度がふさわしい。
そして地下にも空間を広げてみる。すると全部で4層分に相当する。
家にいる時間の多い奥さんが上り下りの負担が少なく、道から直接入ることができ、
できるだけそこで生活できる。
そんな土地を探していたと竹原氏は言う。
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