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  現場取材
豪快と繊細の狭間から生まれる漆喰 -漆喰工場見学-
1.製法・・・栃木山中の石灰岩
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“山中”の言葉通り、道路の両脇に迫る山々のそこかしこに採掘場が見える。
採掘跡の一部はダムになり、水面に緑を映し込んでいる。
緑の森と白い土のコントラスト。不思議に明るい雰囲気だ。
栃木県は日本有数の石灰産出地域である。
道路は大型車が行き交い、細かい土煙をもうもうとたてる。
この地域には、錚々たる石灰会社が多数存在する。その一つ、村樫石灰工業を訪れた。
石灰。
石灰は、日本で自給できる唯一の鉱物である。
一番身近なものは、運動会などで使われる「ライン引きの消石灰」だろうか?
その次に、肥料としての石灰。
実際に村樫石灰工業の中で左官用に利用される石灰は、たった1%程度。
残りの半分以上がセメントの材料として出荷されるという。
建築業界においても、
昨今自然素材を使う左官仕事が見直されてきているとはいうものの、
工期が短く、手軽で安価な工業製品に押されていることは否めない。
そんな工業製品があふれるから腕のいい左官職人が減ってゆくのか、
職人さんが減るから工業製品の台頭を許してしまうのかは、ここでは触れない。
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数年前、私は左官職人さんの手仕事に接する機会に恵まれた。
右手に鏝、左手に鏝板。
重心を落とした姿勢を保ち、独特のリズムで進められる光景に見入った。
愛想のない壁に、表情が生まれる瞬間だった。
それ以来、私は職人さんの手仕事に、そしてその手から引き出される
モノの持つ顔に惚れてしまった。
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