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 現場取材


 甍の波の上で


7.取材を終えて

ある日、光本さんからファックスが届いた。そこには次のように書かれていた。

  瓦千手観音
千度以上で焼いた瓦は
千年の風雪に耐え
千年以上の歴史をもつ日本の瓦は今、
千種以上の豊富な品揃えで
千差万別のニーズにこたえる

職人としての瓦に対する入れ込み・並み並みならぬ愛情が伝わってくる。
阪神大震災のあと、安易に瓦の安全性が否定され、瓦の存続に危機が訪れたとき、
光本さんは真っ先に立ち上がった。
耐震実験をするための機械づくりに情熱を傾け、ついにはその情熱が京都大学の教授に伝わり、
大学での研究の対象になった。この実験結果が公表され、
「瓦屋根は地震に強く、長持ちして快適な屋根である」というイメージが広まって欲しい、
というのが光本さんをはじめとした京都府瓦工事協同組合の方たちの共通の願いである。
少しでもそのお役に立てたら、という思いからこの取材がはじまった。

桟葺き瓦工法が広まる以前の土葺きで造られた屋根は確かに重く、倒壊の原因へと繋がった。
この土葺き工法は、遮音性や居住性の面では桟葺きより優れている。
今でも京都の人は「土をたくさん盛ってぇやぁ〜」と言うことが多いそうだ。
土葺き工法の家でも、下屋がしっかりつくってあった家ならば、倒壊を免れているケースも多い。

桟葺き工法は、屋根の野地通りに瓦を葺いていくため、平板形の屋根を葺くのにしか向かない。
日本古来の端がせり上がっているような屋根を葺くためには、「野地むらの修正」・「瓦の安定」・
「ねじれの修正」・「美観の表現」等ができる土葺き工法が適しており、
職人の育成の問題とも合わせて、この工法が廃れてしまうことへの危惧がある。
瓦葺きの棟梁は、自分が抱える職人さんに国の文化財級の建物の屋根を葺かせて勉強させたい、
という思いを強くもっている。
「国宝級の建物の屋根を葺けるなら、3億円の宝くじにあたるより遥かに嬉しい」
という言葉も耳にした。

「耐震性」ばかりが重要視されると、長い間伝えられた土葺き工法がすたれていってしまう。
そんな警鐘を鳴らすことは、現在の瓦業界にとっては死活問題になってしまう。
「土葺きでなくとも、瓦本来の良さは充分に発揮できると割り切るしかない」
と光本さんも言う。

「メンテナンス性」や「工期の短縮」ばかりを追い求めてきた日本の住宅が、
あっという間に工場での生産品のような、味気ないものになってしまった。
この轍を踏まぬためにも、屋根の上に残された「最後の牙城」が安全に残るよう、
建築業界全体の問題として捉えていかなければならない。

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