それでは、契約金・着手金・中間金という前払金を建築主はどのようにして調達しているのでしょうか?
自己資金を十分に持っている方は、当然自己資金の中から支払うでしょうし、
一時的に親戚、知人などから借りる方もいらっしゃるようです。
金融機関から借りる場合はどのような方法があるでしょうか?
金融機関は通常、融資に対する担保がない場合は融資を行いません。
民間の金融機関(銀行)は、建築中の建築の出来高の査定と担保設定ができないので、
建物の完成前(担保登記前)に住宅ローンの融資が実行されることは異例になります。
金融機関の中でこの前払金に充当できる資金を供給してきたのが、「住宅金融公庫」です。
住宅金融公庫は、建物上棟時に中間検査を行い、融資金の一部を建築主に実行して、
その資金調達を助けてきました。しかし残念ながら、2005年に住宅金融公庫が廃止することが決定し、
『住宅金融公庫の中間金による前払金の資金調達』という方法ができなくなります。
民間でこの資金を借りるには、どのような方法があるでしょうか?
いわゆる”つなぎ融資”という形で、前払金をノンバンク等の民間から借入れることができます。
つなぎ融資とは建物がまだ完成していない、担保がない状態での融資になりますので、
金利が非常に割高であったり、また多額の保証金が必要になったりする場合があります。
住宅金融公庫や金融機関から、建物を担保にして建築資金を借りる場合も保証金が必要になりますが、
このつなぎ融資の場合のように、短期とはいえ担保がない状態で借入れをする場合、
数十万円ほど必要になることもあります。
前払金は請負金額の約4〜6割になることもあります。
しかし建築が進むにつれて、工事に必要な資金は増えてゆき、前払金を受取った工務店の側でも
資金調達が必要となります。
それでは、工務店はどのようにして、建築に必要な資金を調達しているのでしょうか?
金融機関からの借入によって資金を調達する場合もありますが、建築の仕組の中でも資金の調達を行います。
支払(資金の需要)と合わせて考えてみましょう。
参考までに、標準的な木造住宅例における工務店での建築費用の発生と資金の調達の状況を
グラフにしてみました。
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・契約から着工まで1ヶ月
・着工から完成まで4ヶ月
・建築主からの前代金の支払を
契約時: 全体の 10%
着工時: 20%
上棟時: 20%
完成時: 50%
とした場合です。
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建築主からの支払は、A線のように段階的に増えていきます。
現場での建築にかかる費用は発生時にて集計していくと、B線のように予想されます。
工務店の施工費や建材代金の支払は、発生から少なくとも半月から1ヶ月先になるので、
支払に必要な資金の需要は半月から一ヶ月右に動き、C線になります。
また建材代金支払を手形など、支払を延ばすほど、この曲線は右に動き、緩やかになっていきます。
基礎工事業者、大工、左官屋、電気屋、屋根屋等々の職人さんへの施工賃の支払いは、
通常月に1〜2回、働いた分(日数、もしくは出来高)に応じて支払われます。
例えば釘などの細かい材料は職人さんの持ち込みが多く、その他の価格がそれほど高くない建材は、
現金での支払が行われることが多いようです。
木材、窓建具、キッチン等設備類など、比較的価格が高い建材代金の支払いは、
現場で納材されたことを確認した上で、建材の供給会社に対し翌月に現金で支払ったり、
手形(3ヶ月〜6ヶ月位)で支払ったりします。
この場合、建材を供給する会社は工務店に対し、いわゆる『与信行為』を行い、資金を調達する協力を
していることになります。(注『与信行為』:物を納めた後に代金をもらうまでに期間があること)
それは、この未払期間中に工務店に万一のことがあれば、建材供給会社はその代金を受取ることが
できなくなるということでもあります。
このような面でも、工務店と建材供給会社は、お互いに協力しながら家づくりにかかわっています。
一部の工務店では、建築主から受取った前払金をその建物に係る費用の支払いに充てずに、
他の物件の支払いに充てることがあるようです。
このような資金運営をしている一部の工務店と前払金の趣旨により、
正しく資金運営をしている工務店をきちんと見分ける必要があります。
すまいと MONEY PLAN では、前払いした工事代金が確実に依頼した建物の施工賃や工事代金の支払いに
充てられることを確認しながら、必要な資金を必要な時期に合わせてタイミングよくで支払うことにより、
工務店が資金調達をする負担も減り、建物を建築することに専念できるようになります。
おわり