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 007 見巧者(みごうしゃ)


私が読んだ「能」に関する本の中に、「見巧者」という、あまり耳慣れない言葉がありました。
広辞苑では「物の見方の上手なこと。またその人」となっています。
歌舞伎や落語などの鑑賞眼が肥えている人を指しますが、役者は見巧者によって育てられます。
能の舞台で踊る役者は、本当は、多くの観客のために踊っているのではなく、
一握りの見巧者のために踊っている、というのです。
見巧者と呼ばれる人は芸を見分けそれを感受する能力が要求されます。
しかし突き詰めれば芸を見分ける能力に一番優れているのは、観客ではなく、創り出す側の人となります。
では、創り出す側の人びとが勝手に相手を褒め称えているだけでいいのでしょうか。

建設業の世界で、「プロの仕事」と言う言葉があります。
「素人から誉められて喜んではいけない。プロから誉められて初めて、プロの仕事と言える」
この言葉は真実だ、と思います。
それじゃ、建物を創り出す側の人びとが勝手に相手を褒め称えているだけでいいのでしょうか。

芸術は見巧者たちだけのものではなく、建物はプロと呼ばれる人たちだけのものではないのです。
最終的にお金を出して見に行く観客の眼が肥えていないといくらすばらしい芸を提供しても観客席は埋まらず、
お金を出して工事を発注して頂く建て主さんの眼が肥えていないと粗悪な建物が蔓延するのです。

建物の見巧者を育てて、いい建物が多くなる環境を創る上で「すまいと」などの
サイトの果たす役割はますます重要になってきていると思っています。

私も「建設業の見巧者」になりたいと思いますが、「見巧者とそうでない境はどこなんだろう?」
などと凡人を地で行ってます。

石山 孝史(いしやま たかし)    石山テクノ建設株式会社

〒604-8411
京都市中京区聚楽廻南町1番地
TEL.075-822-4377  FAX.075-803-0417
URL http://www.ishiyama-techno.co.jp

[略歴]
1951年 京都生まれ
コンクリート構造物の補修・補強を得意とする大手建設会社に二十数年勤務。
こだわり精神を発揮し、1997年に石山テクノ建設株式会社を設立。
先端技術の提案営業と念入り施工で、
5年で会社規模(売上・粗利益・社員数)が設立時の3倍となる。

 
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