タイトル:あべかよこのただいま建築中!
 第1章 業者決定まで 1999年4月〜

[No.34] 2000年6月〜 「庭を掘り返さないでほしい訳」
■ 家の取り壊しとその打ち合わせ

仮引越し先が決まり、ひと安心したころ、家の取り壊しの打ち合わせがありました。
メインは、庭木をどれだけ残すことが出来るのか、ということ。
建て替え前の家は、敷地のほぼ半分くらい。
のこりの半分は庭と広い物置と車庫。
新しい家はけっこう家部分を大きく取っているので、きちんと「庭」、と呼べるようなスペースはありません。
なるべくなら庭木は切らずにおきたいんだけど…。

季節になると、かわいいオレンジの花といい匂いをそこらじゅうに撒き散らしていたキンモクセイ。
春に庭のいろんなところからニョキニョキ顔を出して、可憐な花を咲かせていたスズラン。
大輪のシャクナゲ、黄色いエニシダ、オオデマリ、ドウダンツツジ、2階の屋根まで大きく伸びたタイサンボク。


みんな、今回の家の建て替えでさよならすることになりました。
草木にも、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、
なにより、いつも庭の手入れをしていた母に、ほんとうに申し訳ない。


と、母は 言っていたけれど、
ほんとの気持ちはそんなことじゃないのは分かっています。

かならず最後に

って言うし。
もう、ホントにいたたまれない。


植木をいったん掘り出して、保管しておき、家が完成してからまた、植えなおすことはできないのかな?
と思ったんですが、実際はむずかしいらしいです。
掘り出し、保管しておくのにお金がかかるし、植えなおしてから、また根付くという保証はないそうなんです。

ああ…、こう、思い出して書いていても、なんだかとっても悲しい、寂しい気分です。
こんなことなら、家の建て替えなんてしなければよかった!!
草花の命を犠牲にしてまで、家を建て替えなければならないのか?
今までわたしたちの気持ちを、癒してくれた健気な草花たち、そんな存在を…人間は…人間は!!

…いや、そんなにまで言わなくていいですか。(汗)

なんだかすっかり湿っぽい気分になってしまったので、
ここらへんで気分を入れ替えようと思います。
私たちの幸せのためなんだから、多少の犠牲はしょうがないじゃないか!
小さき者たち、ごめん!!



■ 庭を掘り返さないでほしいわけ

そして実は、私は誰にも話さなかったんですが、もうひとつ、庭に関して心配なことがありました。

ほんとに庭を、掘り返してしまっていいのだろうか。
土の中から、…出てきてしまわないだろうか。
ゴロリ…と。
あの子たちが!!


…というのはですね、ウチは以前から犬猫やら、鳥やら、金魚やらを飼っていまして、
美しい花の咲く庭、は同時にペットセメタリー、動物墓場!なわけですよ。
思い出せるだけでも、柿の木の下にはトラネコのとらちゃんが。
あの花台の下にはクロ犬のペリーが。(黒船のペリー提督からとった名前)
こっちの椿の下にはやさしかった茶色の犬、ターコが。
次に誰かが死んだら、もう墓地分譲スペースはないですよ、ってくらい、
そこらじゅうに遺体が埋まっているわけですわ。(遺体っていうな)

以前、こんなことがありました。
クロ犬のペリーは、首輪を勝手に取ってしまい、はしゃいで道路にでて、車にあたって死んでしまいました。
いつも日向ぼっこをしていた花台の下に埋めてやりました。
一年後くらいに、迷い犬だったターコを飼うことになりました。
ある日、ターコが顔を土で真っ黒にしてなにかをやっています。

まさか、先代のペリーの…!?こいつ、なに掘り出してんだよーーー!!
と、一瞬、真っ青になったんですが、よく考えたら埋めた場所が違うし、骨のでかさが違うでしょ。
お隣がお肉屋さんだったので、よく、骨付きの肉をもらっていたんですが、それでした。
犬なので、「あとで食べようーっと」と、自分で土に埋めていたのです。

でも、その出来事は勘違いとはいえ、かなり衝撃的だったので、庭を掘ることを考えるといつもチラチラと、
私の頭をかすめていたのでした。
果たして…結果は、そんなことはありませんでした。
みんな無事に土にかえっていらっしゃったようです。あとかたもなく。
ホラーなことにならなくて、よかった。

庭の植木のことですが、比較的小さなものは、近所の人や友達にもらわれて行ったそうです。
どうしても残したいものは、父と母で掘り出して、家庭菜園用に借りている畑に持っていって、
枯れないように世話をし、また庭に植えなおしました。
世話の甲斐があって、無事に根付いたようです。

でも、それでもどうしても動かせない木や、持って行けない植木もありました。
それらが切られるのを見るのはとてもつらいので、家と庭の解体は、誰も見に行きませんでした。
じゃがばたホームのM田くんも、「解体を見に来る施主さんは、あんまりいませんね」と言っていました。
私は、建て替え前の家の作りに、かなり疑問を持っていたので(異様にゆれるとか)
そこらへんを確認したい気持ちはあったんですが、やっぱり木が切られるところは見たくないので、
解体現場には行かずじまいでした。


つづく

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