タイトル:あべかよこのただいま建築中!
 第1章 業者決定まで 1999年4月〜

[No.33] 2000年6月〜 「父母の引越しの準備はすすんでいるのか?」
■ 父母の引越しの準備はすすんでいるのか?

さて、どうなることかと思った仮住まい問題、母の友達の持っているアパートを借りることができて一安心。
そうとなったら次は引越しの準備です。
引越し業者はじゃがばたホームの担当M田くんが何件か見積もりをとってくれたそうです。
引越しサービスだけではなく、レンタルスペースも一緒に貸してもらえるところに決めました。
よし、あとは引越しの準備をすすめるだけ!

週末、実家に行き引越しの手伝いをしました。
もうすっかり箱詰め作業が進んでいるかと思いきや・・・。

えっ まだ? ぜんぜん!


ここでも相変わらず、焦りの色を微塵も感じさせない母。
「荷造りなんてすぐ終わっちゃうわよう」
とか言ってやがりますよ。
引越しなんて、30年前に一度したことしかないくせに!

(この家を建てて引っ越してきた時以来)

とりあえず、台所のかたづけを手伝うことにしました。
築30数年の家はどこを開けてもカオス状態。
いろんなものが本棚や押入れに入ったまま年月が経ち、
その意味や用途は失われているのに、そこにいるのが当たり前、みたいな顔をしているもの

(たいてい不用品)がいっぱいあります。
棚をあけると、取っ手がとれた鍋、使っていないホーロー鍋(昭和っぽい花柄の)、
なにかが入ってると思われる油がしみこみまくった紙の箱。

私:「取っ手がとれているのは捨ててはどうか?」
母:「取れてるけどつかってるのよ」
私:「そうですか…」

タッパーの山の間の二人上の吊り戸棚はどうかというと、わあわあ、あるわあるわタッパーの山
色の変わっちゃってるもの、フタが行方不明なもの、
形がひしゃげちゃってるもの。

私:「……どう考えても捨てようよ!!」
母:「うーん、でも何かに使えるかも…」
私:「ゴミ袋もってきて!!」




■ 働き者の炊飯釜

古いタッパーはかなりの数を捨てました。
でもね、なんでもかんでも捨てればスッキリ、っていうものでもないっていう気持ちも解リます。
愛着を持っているものって捨てられませんよね。

私:「えー、これ、まだ使ってるの?」

ガス炊飯釜 これぞまさに昭和!という感じの代物です。ガスの炊飯釜。
重くてかなり大きいものです。

母:「やっぱり電気で炊くより、ずっとおいしいんだもの」

母は、一度は電気の炊飯器を買ったものの、
その炊き上がりの味の違いに、炊くのは以前のままのガス炊飯釜で、
炊いてからは、保温だけ電気の炊飯器を使うという、
なんだか面倒な使い方をしていたのでした。

私が小さい時から台所にあった、炊飯釜。
私がこれでごはんを炊いた、ということはそんなになかったのですが、そんな私でもなんだか愛着を感じるものです。
その、ムダをいっさい省いたデザインもとても可愛らしい。
ごはんを食べることは、毎日のことだから、そして暮らしの基本だから、
郷愁の気持ちと結びつきやすいのかもしれません。
その形を見るだけで、おいしい湯気のにおいが漂ってきそうです。

そんな、かざりっけのない、働き者のガス炊飯釜。
いまだにキチンと働いて、おいしくごはんを炊いてくれるとなれば、捨てられない気持ちも当然ですよね……。

「いや、もう最近は点火がうまくできなくてね…。」

なんどか爆発した。「引退させましょう」


その後、私がつかっている"圧力炊き"の炊飯器で炊いたご飯を一度食べた母は、
速攻で新しい電気炊飯器に買い換えていました。

ものっすごくおいしい!!



■ 家の思い出

今、建て替えようとしている家は、わたしが2歳の時に建てたもので、
4畳半の広さのキッチンと6畳2間に4畳半、お風呂とトイレ、という間取りの平屋建てでした。
当時は窓も木枠のガラス窓だったなあ。冬はそうとう寒かっただろうなあ。
十数年後に2階を増築しました。そのときに窓はサッシに変りました。
でも、その時の施工って、そうとうテキトウだったと思うんですよね。
2階の廊下の窓は、最初から一番右側が開かなかったし、ベランダのドアは最初から鍵が閉まらなかった。

コラムの最初のほうでも書きましたけど、とにかく揺れる家だったし。
人が階段を昇ってくるときは、足音といっしょに"どしどし"揺れるし、
ひどいのはダンナちゃんの腕立てで、
筋肉の振るえと同時に家が揺れたんですから。
(詳しくはその2参照)
本気で、家の基礎と柱が離れていたんじゃないかと思っています。

そんな家の思い出というと…。
心があったかーくなるような、古い家がなくなってしまって寂しい、というようなノスタルジックな気持ちになるような…。
そういった思いって…、ほとんどないんですよね。
結婚して家を出ているんで、そこに住んでいないってこともあるのかもしれませんけど、
「はやく壊して新しいのを建てようよ!」
っていうのが正直なところ。
だって、使いづらいし、快適じゃないし、外装なんて、トタンっぽい素材だし、
屋根の一部分にへんてこなデザインがされているし(多分大工さんが勝手にやった)。

ああー、今はっきり解りました。
私はこの家が好きじゃなかったんですね。
炊飯器よりも愛情をもたれていない家っていうのも…、どうかと思うけど。
でも、建て替え前の平屋は、そんなに嫌いじゃなかったです。
小さい時のほうが、幸せな思い出が多かったからかもしれません。
思い出してイラストにしてみました。


長い間、あめつゆをしのいでくれて、暖かく寝かせてくれて、ありがとう、家。

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