今年は猛暑の連続ですが、みなさん体調を崩してはいませんか?
暑い夏こそ…
鍋ですよ!
汗をかきかき、鍋をつつく。
真夏にチゲ鍋。コレ効きます。ぜひお試しを。
今月の9スタは、このずっしり重た〜い土鍋を
行商人のごとく、携えてやってきた力持ち…いやいや、
プレゼントしてくれた女性がゲストです。
といっても、彼女は小売商ではありませぬ。
器好き・人好き・旅好きの三拍子がそろいもそろった
小物問屋さんです。
本来、問屋は裏方の仕事ですが
そこはほら、鍋ともだちということで
今回だけ特別に、彼女のアジト( ! )を見せていただくことになりました。
どんな部屋なのか、とっても楽しみ。
小物問屋Aさんは、ガラスや陶磁器、木、漆、鉄、アルミなど
さまざまな素材や技法の器を発掘してはお店の人に紹介したり、
商品を店に卸したりしています。
「いいもの見ぃつけたっ!」と、ひとりホクホクして終わりじゃなくて
それぞれのお店に合った「質のいい器」を紹介し、もののよさを正しく伝える。
そこまでが、Aさんの仕事なのです。
いいものを、より魅力的に見せたいと考える彼女は、問屋+卸し業のほかに
展示会の企画やプロデュース、コーディネート業務をしたり、
もの知りな販売員として売り場に立って、自ら接客もします。
あくまでも裏方に徹したいという本人の希望により、
ゲスト顔写真の限界はここまで!
しかし、大事なものを扱う「手」、
これだけはバッチリ掲載許可をいただきました。
(小泉誠さんの「手」とウリふたつの噂もあり)
「ここが、Aさんの事務所兼住まい。
「問屋さんっていうより、古本屋さんとか
「古道具屋さんって感じがしてきました」
「本を眺めるのが好きなんです。
「地方に行った時、古本屋さんをぶらり訪ねるのも好き。
「だけど、もし自分がやるとしたら貸本屋さんかな。
「私、ものは持っていたいんですよ」
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「これはまた、随分使いこまれてますね」
「その家具は以前勤めていた会社から譲り受けたものです」
「そういえば、Aさんはこの仕事をする前、
「百貨店系列の商社に勤めてたんでしたっけ」
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「そう。その時は営業職でした。
「クラフト関係の商品を店に納めるっていう。
「その時の先輩からは、産地のことや作家さんとの
「つきあい方など「いろいろ教えてもらいました」
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「初めての夏休みに、先輩の紹介で岩手の浄法寺に行って
「漆作家の岩館隆さんを訪ねました。
「いいつくり手との出会い、いい作品との出会いに
「心の底からわくわくしたのを憶えています」
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「地場のいいもの、そしていいつくり手を探すおもしろさを
「知った、初めての旅でした。
「あの時以来ですね。つくり手やものを探すことに、
「より興味をもつようになったのは」
「それが現在のAさんの仕事、というか
「生き方のルーツのような気がします。
「ところで、Aさんの旅はいつもハードスケジュール。
「飛行機とか新幹線より、バス移動が多いでしょ?」
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「そうですね。以前は高知から長崎までバスで移動したり
「深夜バスを利用したり…。
「バスを使うと、お金と時間の節約になるんですよ」
「なるほど。では、そうやって地方を旅しながら
「探し出したものを、そろそろ紹介してください」
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「どこかで見たような食器棚…」
「実はこれ、本棚なんですよ。
「以前、実家で使っていたものです」
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「同じ器が、揃えで何客もあるようだけど、
「これはまたどうして?」
「たとえば、土ものはその時々で焼き上がりが違います。
「だから、自分で見た時にベストだと思ったものと、
「また出会えるとは限らないんですよ。
「その時にいいと思ったものは
「なるべくまとめて買うようにしています」
「なるほど。そういうことなのか」
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「この茶托は、地方のみやげもの屋さんで
「普通に売られていたものです」
「みやげもの屋さん?」
「そうです。
「地方にある、いわゆる普通のみやげもの屋さん。
「他のものと一緒に、ワサワサ売られている中で
「見つけました」
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「私、いいものを探し出したあとは
「できるだけ、その魅力が引き出せるような見せ方をしたい。
「使う人に、できるだけいい状態でものを見せたいんです。
「愛情をもって展開してくれる店に置けば、
「より一層、ものの魅力が発揮されると思っています」
「確かに、同じものでも見せ方ひとつで
「随分印象が違ってきますよね。
「Aさんの仕事は裏方で、我々一般の生活者には
「影すら見えてこないけど
「重要なカギをにぎっていると言えそう。
「特に、つくり手にとっては」
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「こんなにたくさんの器に囲まれていると
「お店が開けそうだけど」
「お店をもつと場所が限定されるし
「ものの見せ方が固まってしまう可能性もあるから
「私はもの探しに徹したい。
「場所を変え、スタッフを変えながら
「これからもものを紹介していきたいと思う。
「その方が、いい仕事ができそうな気がします」
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事務所と住まいが同じと聞いてはいたものの、
小物問屋Aさんの部屋からは
問屋というか、発掘者としての顔が全面に出ている印象を受けました。
インタビューの間も商品の問い合わせがファックスで届いたり、
企画展に関する連絡が何度も入る。
噂には聞いていたけど、彼女の多忙な生活を垣間見た気がします。

事務机にはノートパソコン。
彼女によって探し出されたつくり手たち、そしてものの資料は
パソコンの中に、びっちり詰まっています。
たったひとりでやることの大変さはあるだろうけど、
ひとりだからこその、フットワークの軽さってものもある。
ものを探し出し、つくり手たちと出会う。
もののサンプルを維持管理しつつ
自分自身も試し、店の人に紹介する。
展示会があればひとつひとつ荷造りして搬入。そして搬出。
小物問屋Aさんの日々は、このくり返しだ。
ん〜。ひとり問屋は体力が勝負の世界だと実感。
Aさんは、荷物を抱えて
きょうもあの急な階段を上ったり下りたりしているのだろうか。
どうぞお体に気をつけて。
近いうちに、うちでチゲ鍋食べましょう!