洋(ひろし)さんが、初めてスミレアオイハウスにやってきたのは、
今から2年ほど前のこと。
我が家の設計者・小泉誠さんから
「滋賀の『秋村組 WARMS』の社員、あきむらひろしさんです」
そう紹介されたのがはじまりでした。
初対面なのに、洋さんは他人行儀なところがなく
さりとて、妙な馴れ馴れしさがあるというわけでもない。
気さくで純粋な人、という印象でした。
家のなかをぐるり案内した後に、なぜかトランプの話題で盛り上がると
「悪いけど、ボク強いですから。」
洋さんは遠慮するでもなく、闘志をむき出しにしたのです。
この言葉を聞いて、だまっていられるわけがない!
賭博場と化した畳の間では
『神経衰弱』に神経をすり減らす人々の姿があった…。
洋さんのことが、ぐっと身近に感じられるようになったのは
この時からです。
数カ月後、小泉さんが設計する9坪ハウス/Y邸を秋村組が施行することになり、
洋さんは、施主のY夫妻を連れて
再びスミレアオイハウスを訪れました。
そして、ついに
9坪ハウス第1号が誕生したのであります。
株式会社 秋村組 WARMS(ウォームズ)。
これまで洋さんのことは、建設会社の人だとばかり思い込んでいました。
でも、今回取材を進めていくうちに
どうも、秋村組は『建設会社』の一言ではくくれない、
いろんな試みを行なっているフシギな会社だということが
明らかになってきたのです。
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秋村洋ナビによる、琵琶湖周辺の旅。
まずは、9坪ハウス/Y邸からスタートです。
こうしたらどうか
あんな方法はどうだろうと模索がはじまり、
再び室内に戻ると
さっそく、洋さんはイメージをスラスラ書いていくのでありました。
「小泉さんにも相談してみましょう」
住みはじめた家に不都合が起きても
クレームにならない。
施工者に相談を持ちかけて、ともに解決策を見い出そうとする関係って
いいなぁと思う。
「この家には、番犬がいるんですよ」
住みはじめてもうすぐ1年を迎えるYさんが
ある日発見した、かわいい犬ちゃん。
畳の間の立ち上がり部分の木の模様は
まさに、にっこり微笑みかける洋犬のようであります。
「ボクも撮っちゃおーっと」
そして、冷蔵庫に何気にひっついていた<9>磁石。
Yさんの9坪ハウスに対する愛着が
こちらに、ひしひしと伝わってくるのでありました。
Y邸を後にして、
次なる目的地"FLYING CATERPILLAR(フライング キャタピラー)"へと向かいます。
が。
鍵が見あたらなくて、中に入れず。(泣)
ケンチク家・小清水園恵さんプロデュースによる
"FLYING CATERPILLAR(=飛んでるいもむし)"は、4年前に誕生しました。
洋さんの説明によると
この建物は、職人さんや設計者、ケンチクに興味のある人たちが大勢集まり
琵琶湖周辺にある素材を使って、ケンチクを体験・実感する目的で行なわれた、
巣づくりプロジェクト第1弾なんだそう。
(現在は、秋村組のプロジェクトチームのひとつ"Cosmic Soup"の事務所として使用)
窯をつくり、琵琶湖のシジミの貝殻を焼成して外壁に塗りこんだり
琵琶湖のヨシを使って紙漉きをし、内壁として張りつけてみたり
廃棄処分になっていたオーミケンシの糸巻きを
壁面緑化のツル誘引物として利用したりと
いろんなケンチクの試みがなされたようであります。
続いて、案内されたところは…。

草ぼうぼう生えたる、広大な土地!
「洋さん、ここは?」
「ここに、目下計画中のエコ村ができる予定なんですよ。
今はまだこの通り、何もないですけど
2年後には造成着工が始まって、毎年30棟、10年で300棟が建つ予定です」
「エコ村って?」
「環境とか福祉、教育、仕事、生きがい…。
いろんな問題を自立的に解決できる村をつくろうという、
"エコ村ネットワーキング"計画中のプロジェクトなんですよ」
「そりゃまた、壮大な計画ですなぁ」
洋隊長のスペシャルツアーは、まだまだ続くのであった。
「ここは、秋村組の拠点のひとつ。サロンですね。
「本社の隣にあるこの建物は、打合わせに使ったり
「お客さんを招いたりしています。」
「ん〜、変わった建物だなぁ」
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「よっしゃ。今回は無事侵入に成功!
「天井が高くて、広々とした室内は
「要所要所に六角形のカタチが…」
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「"be-bee(ビィビィ)"っていう名前なんです。
「蜂の巣がモチーフになってる」
「なるほど。森の中にある蜂の巣に、
「人が集まってくるって感じだね」
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「暖炉もあるし、人が語らう姿が目に見えるよう…。
「はぁ〜、こんな会社があるのか。
「いいないいなっ秋村組!」 |
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「いろんなところに、明かり取りがあったり
「あちらこちらに、出入り自由な扉がついていたり。
「たのしい建物だなぁ。何だか別荘みたい」
「そうですか〜。
「この建物も、小清水園恵さんが設計したんですよ」 |
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「夜になると星が見えたり、アカリがもれてきたりで、
「実にキレイなんです」
「そうか…。残念だけど、今回は
「そうゆっくりもしていられないのであーる」 |
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「あぁ、こうして椅子に座ってるとダメだ…寝ちゃいそう!」
「じゃ、そろそろ次の目的地へ行きましょうか」 |
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「な、なんだコレハ!」
「これ、"つちのこ"っていうんです。」
「つ・ち・の・こ?」
「そう。つ・ち・の・こ!」 |
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「手前は、つ・ち・の・こ・の・こ」
「つ・ち・の・こ・の・こ!」
「いもむしちゃんに引き続き行なわれた、
「巣づくりプロジェクト第2弾です。
「同じように、琵琶湖周辺にある材料を使って
「みんなでつくりあげた建物です」 |
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「骨組みになる竹を刈り集めてきたり、
「土壁用の土を採集してきたり、
「材料集めから、始めたんですよ。
「屋根は、長い竹を縦半分に割って、
「交互に重ねながら葺いています」 |
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「"つちのこ朝市"なんていうのもあるんだね。
「建った後も地元の人が利用したり、
「新たな庭計画が進行していたり、
「今なお生かされているのがいいよね」 |
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「今度訪れた時には、また様子が変わってるんだろうな。
「楽しみにしてるよっ。
「また逢う日まで。つちのこちゃん!」 |
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スペシャルツアーの最後は、WARMS。
洋さんの本拠地です。
これがまた、琵琶湖が目の前という
何とも、素晴らしいロケーションなのであります。
入ってすぐの棚や長いテーブルには、

セレクトされた食器や生活雑貨の数々が、品よく並び

奥に進むと、水洗金具などの設備アクセサリーや

建築パーツのサンプルが置いてあって、
直接手に取り、確かめることができるようになっています。
「WARMSは、きっかけ作りのひとつだと思うんですよ」
「ここを訪れる方の多くは、自身のライフスタイルをしっかりもっていたり、
住まい方についてマジメに考えている人がほとんどなんです。」
「WARMSみたいに、常にきちんと発信していれば、
想いは必ず人に伝わっていくものなんだね」
「ボクとしても、意識の共有できる人たちと一緒にモノづくりができるのは
嬉しいし、楽しいことなんですよ」
「ふむふむ」
「WARMSでは夏祭りとクリスマス、
お客さまや関係者をお招きしてイベントを開くんですけど、
そういう場で、お客さん同志のつながりが生まれるんです。
その後も、お客さん同志が家を行き来する仲になったりね。
どんどん、つながっていくんですよ。
おもしろいです」
「そうか。WARMSには、すでにコミュニティができあがってるんだね。
そりゃ、すごい。すばらしいことじゃ」
自分自身が、どんな生活を望んでいるのか。どんな暮らしを送りたいのか。
つまりは、どう生きたいのか。
家という巣づくりのプロセスは、
改めて自身の生活や暮らし方・生き方をじっくり考える、いい機会だといえます。
さまざまな生活の要素が、ぎゅぎゅっと詰まっているWARMS。
ここでは、秋村洋さんをはじめとしたWARMSな人々が
巣づくりに必要な要素を提示しつつ、
その人その人にあった人生設計を、丁寧にサポートする姿があります。
巣づくりには、終わりがありません。
ある時点で、家というひとつのカタチをなした後も、
どんどん変化していくものなのです。
住まう人には、ヴィヴィッドな生活があり続けるし
どんな暮らしを送りたいかは、その時その時で変わっていくものだから。
"パートナー"。
秋村洋さんには、まさにこの言葉がピタッときます。
9坪ハウス/Y邸ご夫妻と洋さんの関係を見ても、それは明らかでした。
じっくり、ゆったり話をする。相談する。
家づくりは、いいパートナーに巡り合えると
とても広がりのある、豊かな暮らしができるんだなぁと実感した
今回の9スタでした。
洋さん、あちこち連れていってくれておおきに!
いい勉強、させていただきましたよ。
(●´∀`)┛”