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 『9坪の家 その後』 written by 萩原修


 10 2001/05/21 「3回目のオープンハウス」


オープンハウス全景
オープンハウス全景。さて、萩原修さん・百合さん夫妻はどこにいるでしょう?
スミレアオイハウスの3回目のオープンハウスをおこなった。
4月28日のことだ。
そもそも、「オープンハウス」って、何?と思われるかもしれない。
一般的に知られるオープンハウスは、売りたい家やマンションの一室を
開放して、自由に見てもらい入居者を募るというものだろう。
しかし、建築の世界で言う「オープンハウス」は、
建築家が自作のできたばかりの家を、施主に引き渡す前後に、
同業者や建築科の学生や建築雑誌の編集者など、
いわゆる業界関係者におひろめすることらしい。

それじゃあ。
9坪の家のオープンハウスも建築業界的なオープンハウスなのだろうか。
確かに建築関係者もたくさん来る。設計デザインを担当した小泉誠さんの作品のおひろめとも言える。
しかし、やはり、ちょっと違う。
何が違うかと言うと、主催は建築家ではなく施主であるということ。
そして、ぼくら家族の親戚や知り合い、近所の人もたくさん来るのだ。

2階から見たキッチン
2階から見たデッキ
家族4人が共用する2階の机
上から2階から見たキッチン・2階から見たデッキ、普段は家族4人が共用する2階の机も、
この日は「9坪の家」関連資料のディスプレイ用に


1回目のオープンハウスは、引越し前だった。
施主主催といえども、建築業界的なオープンハウスの意味が強かったと思う。
ぼく的には、スミレアオイハウス展の展覧会のオープニングパーティーという感覚だったかもしれない。

2回目は、昨年11月。スミレアオイハウスの1周年。
ぼくの本の出版記念もかねて、おこなわれた。2日間で200人以上の人が見に来た。
ついでに、本も販売し、夜は飲み会である。
実は、夕方の飲み会の件は、ごくごく親しい人にしか案内していなかった。
しかし、時間ぎりぎりで来た人がなだれこみ、当初30人ぐらいだと思っていた飲み会は
、いっきに100人以上にふくれあがった。
用意していた食べ物は、あっと言う間になくなり、10樽の生ビールと30本以上のワインがなくなった。
ほんと、自分たちが住んでいる家とは、思えないほどの人、人、人だった。

今回の3回目のオープンハウスは、2回目の反省もこめてのぞんだ。2日間を1日に短縮。
昼は、小泉さんの仕切りによる竹を使ったワークショップをおこない、子どもも楽しめるようにした。
夜の飲み会は100人を想定。家具職人の真吉さんに、料理のコーディネートを依頼。
10人ぐらいの人にあらかじめ、サンドイッチをつくってもって来てもらうなど、
だれがホストでもゲストでもなく、みんなで楽しめるようなことを考えた。

竹のワークショップ
竹のコップ
仕切る(?)小泉誠さん。
上の全景写真手前右側で行なわれていた竹のワークショップ。
来た人みんな、もくもくと竹のコップを手に、飲み口を削って滑らかにしていた。右は仕切る(?)小泉誠さん。

住んで1年半。3回目のオープンハウスには、実に300人ほどの人が訪れた。
夜の飲み会も大盛況。
今回は、かみさんの本の出版記念もかねていた。
スミレもアオイも、大活躍。
9坪の家の内と外を、子供も大人も関係なく交流できた、楽しい一日だった。
あー。これってなんだろう。自分の家のようで、既にみんなの家。
そうそう、家なんて、みんなで使えばいいんだ。
こんなにいい建物を、ぼくら家族だけが占領することはない。
文字どおりこれが、ほんとの「オープンハウス」なのかもしれない。
こんな「オープンハウス」をする建主が増えると、日本の家ももっと楽しくなるのにね。
みなさんも、自分の家で「オープンハウス」やってみませんか。

萩原さんが2階窓の障子を開けていた。
庭側から玄関ドアを見る。
なんと、こんな現場に遭遇!
萩原さんが2階窓の障子を開けていた。
こんなふうにしていたんですね。
ちょっと曲芸チックですね。
でも、ご本人は平気のへいざでしたよ。
皆さん、疑問解けましたか?
庭側から玄関ドアを見る。
玄関ドアはかなり分厚い木製。
吊り戸でした。

おわり 


『9坪の家』
『9坪の家』
萩原 修 著
廣済堂出版・刊
定価/本体1400円+税

「ぼくは、その家と出会ったことで、家をつくることになった。
 それまで、自分が家をつくることになるなんて考えてもみなかった。」
本のしょっぱなで、萩原さんはそう書いている。
その家とは、戦後住宅史に残る名作と言われている家。3間×3間のたった9坪の、2階建ての正方形の家。
名作に住むだけなら、誰もが夢見ることかもしれない。
けれど、それが家族4人で住むにはとてつもなく小さかったとしたら・・・。
萩原さんはなぜ9坪の家を建てようと"決意"したのか。
決意と呼ぶにふさわしい、その経緯は、けれど根源的な家のあり方、家族のあり方を問うて、目からウロコの連続である。
言っていることは深いのに、書いている文章はめっちゃわかりやすいし、むちゃむちゃ面白い。
9坪の家なんて、私には関係ないワ、という方にもぜひ一読することをお奨めしたい。
このページはその9坪の家を建て、住んでみた後の現在の萩原さんがつづる同時進行ドキュメントである。


 
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