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 『家づくりの会 連載コラム』


 056  住宅なんでもQ&A(第23回) 設計者選び

本間至/ブライシュティフト

Q.住宅を建てる計画があります。設計を建築家にお願いしようかと思っているのですが、
どなたにお願いして良いものか、選択の基準が自分の中ではっきりしません。
設計者選びについて、御意見をいただきたいのですが……。
 


A.きっと家づくりで一番難しいのが、この設計者選びかも知れません。
設計者を誰にするかで、家づくりの過程と、そしてその結果としてどのような家ができるかが全く違ってきます。
設計者の選択は、新しい家が完成してからの住生活を、その選択の時点で方向付けてしまうことになります。

家づくりを始める際、ほとんどの方は家を作る技術的な話からアプローチをしようとします。
それは単に話として分かりやすいということだけであり、生活の本質とは、ずれてしまう場合があります。

どのような生活をしたいのか、それは具体的な話ではなく、
どのような場(空間)に身を置きながら生活したいのか
そこを住宅づくりの中で大切な本質として理解することが必要となります。

設計者を選ぶことは、実はこの部分に肉迫することでもあります。この部分を総論と考えた時に、
総論賛成であれば各論のある部分が満たされなくても、満足する住宅は完成するはずです。


例えばローコストを得意とする設計者に、そこの部分だけを期待して設計依頼をするとします。
しかし建主の要望によっては、ローコスト住宅とならないこともあります。
そうするとその一点のみで、その設計者に依頼した意味が無くなってしまう訳です。
総論には興味がなく各論だけで進んでしまいますと、その部分の希望がかなわないことで、
総崩れを起こしてしまいます。
もし総論(その設計者の作る空間で生活したい)がしっかりしていれば、各論が多少ぶれたとしても、
それを乗り越え満足した住宅は手に入るはずです。

設計者選びは総論に共感できるかどうか、そこが大きなポイントになります。
それをきっと相性というのかも知れません。
くれぐれも、友だちに求める相性とは勘違いしないようにして下さい。
気が合うかどうかも各論の一つでしかありません。
何か大きな問題が起きれば、憎さ百倍になってしまうこともあります。

あなたはどのような空間に身を置いて、これからの生活をなさりたいですか?
細かい技術的な勉強をするより、そこの部分を見極めて下さい。
それが見えた時、きっとあなたは、あなたにとってすばらしい建築家と出会えることでしょう。


本間至/ブライシュティフト
1956年東京生れ
1979年日本大学理工学部建築学科卒業
林寛治設計事務所勤務後、86年独立
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