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『家づくりの会 連載コラム』
053 ワクワクする瞬間
森博/森ヒロシ建築設計所
先日、自分の住む材木座の路地を1丁目から6丁目まで半日かけて歩き、150枚の写真を撮って来た。
いつも見慣れている風景だがカメラのファインダーを通して切り取られると、
小さな町にも関わらず町を形づくるたくさんの要素を見つけることが出来た。
材木座を一望することが出来る道、富士山が見える 道、水平線が見える道、海岸につながる砂だらけの道、
歴史に出会うことが出来る道、たった50センチしかない道、きれいな垣根がある道、
伝説のサファーが住む海の真ん前に道、茅葺き屋根の家がある道、建て売り住宅が建つ道などなど。
今、この材木座に2つの家を設計している。一つは歴史のあるお寺のすぐ隣にあり、
震災後につくられた杉の板張りの平屋が建っていて、庭には松の木がある。
ここは50メートル先に4丁目の山があるために海からの涼しい風が路地まで届いて来ていないことを
朝夕の犬の散歩で確認している。今建っている古い家より大きくはしたくない。
もちろんお寺より目立ったり背が高い家ではいけない。
海の方に向かった大きな屋根を持ち、出来るだけ平屋のように見えるよう、
2階は大きな屋根の中につくってはどうだろうか。
内部は引き戸で区切るだけで風通しのいいワンルームにして、
吹き抜けた屋根裏に寝室を持っていきたい。
屋根はやはり瓦だろうか。
もう一つ設計している家は海岸から120メートルの所で、しらす漁の網元のお隣、
目の前に干物をつくるバルコニーが見えている。たぶん屋上からは海を見ることが出来るはずだ。
材木座の商店街にあるために回りは3階建てが多い。
海の遊びが楽しめるように外から入れるお風呂と土間、前の干物と空が見える大きな窓、
2階と3階をスキップさせて天井の高いリビングと天井の低い書斎をつくり、
形は単純な立方体のボックスにする。海が見える屋上は断熱のために 緑化することを提案している。
伸びたケンタッキーブルーグラスが屋上の上でゆらゆらしている様子が海岸から見えたら愉快だ!
同じ町のすぐ近くに同じ設計者が設計するのだが、出来る家は随分と違ってくる。
「鎌倉らしさ」という言葉をよく聞きますが、それがどんなスタイルなのか的確に答えることは難しい。
ただ町を歩いてみるとその土地、路地にふさわしい、設計してみたくなる家がおぼろげに浮かんでくる。
この瞬間が一番ワクワクす る。
またビーサン履いてビール片手に町をブラブラしてこうようかな!
森博/森ヒロシ建築設計所
休みに山形の鶴岡に行き、農家民宿に泊まって来ました。
地産地消の食材でつくられるシンプルな料理とダダチャ豆、真っ白な庄内米のおにぎりを満喫して来ました。
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