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『家づくりの会 連載コラム』
050 測る・・・
半田雅俊/半田雅俊設計事務所
良質な住まいの要素
「住まいの本質は、床、壁、屋根などにあるのではなく、それらで囲ま れた空間にこそあるのだ」
と、昔から賢人が言い表しています。
高価な建 材を使い立派な設備を施したところで、必ずしも快適な住まいが実現するわけではありません。
形態、素材
いい場所だナーと落ち着いた気持ちになり、そこにいるだけで幸せを感じる住居には、
状況にあった適度な大きさと周囲とのつながり、外部への広がりなど形態的な要素、
それを形作る素材の感覚、明るさと暗さのバランスなど形態的要素が重要な役割を担っています。
新築したばかりの家はみなそれなりにきれいですが、5年10年と時を経て「いい家だな」としみじみ思える家は、
残念ながらそう多くはありません。
時間の経過とともに良さを増す住まいにするには、どんな素材で作るかが重要。
プラスチックなど石油系の素材は、みすぼらしくなるばかりです。
木材や土など自然素材はとても良い素材ですが、必ずしも耐久性が高いとは言えません。
素材の弱点を形態でカバーするのが昔からのやり方。
木材は湿気ないようにする。雨に弱い土壁を保護するためには長目の庇を設ける、
などそれぞれの素材に弱点を補う形態や使い方のセオリーがあるのです。
気候にあった気持ちの良い住まいは、長い時間をかけた先人の知恵の集積によって
形と素材が選ばれてきたと言えるでしょう。
性能
形態や素材が重要である一方、性能をしっかり押さえておくこともとても重要です。
見た目がいくら感じ良くても、夏は暑く冬は寒い住まいでは長生きは期待できません。
暖房の普及率と脳卒中の発生率のデータには、明らかに相関関係があるのです。
寒冷地の寒さはもちろん、都会の暑さは我慢の限界を超えることもしばしばです。
大多数の地域で冷暖房は不可欠になっています。
地球温暖化をこれ以上加速させないためには、快適でありながら効率の良い省エネ型の住まいが必要です。
電気製品や自動車などの工業製品はもちろん、食品でも性能や成分などが表示してあります。
住まいについてはどうでしょうか。
シックハウスが起きたのは、健康被害が起こるであろう物質が建材に使用されていたからです。
床暖房を入れれば断熱などしなくても快適にはなりますが、これで良いのでしょうか。
昔は、新築の「におい」が木の香りだったのが、石油系の臭いに変わり、何か変だなーと感じて
空気を測ったら、有害汚染物質がたくさん含まれていました。できるだけ国産材を使うようにしたら、
木材の含水率が高かったため、乾燥収縮による狂いが出て困りました。
断熱を考えるには、工法以前にどこまでの性能が必要かを把握しなければ、
適切な設計ができるはずがありません。
設計に携わる者として
これまでの経験から、良心的な住まいの設計をするには、素材の性質・性能を把握することが必須であること。
住まいの性能を、感覚ではなくデータ(数値)で確認することがとても重要であることを痛感しています。
住まいの性能を把握するには、自分で測って見ることが近道と考えました。
これまでに住まいの性能に関して測定した項目は、ホルムアルデヒドなどの有害化学物質による室内空気汚染、
気密測定、木材の含水率、木材のヤング率(強度)、仕上げ材の表面温度等々。
住まいは、一度建てたら50年は使ってほしい。
半世紀後にも「良い家 だね」と言われる住まいを造るためには、与えられた状況を冷静に分析すること。
「良心的な仕事」をするための私の手法の一つが、「測る」ことです
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