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 『家づくりの会 連載コラム』


 045 住宅なんでもQ&A(第17回)
誰に頼んだらいいの? 我が家の設計者

回答者:徳井正樹/徳井正樹建築研究室

「設計者選び」の新提案
“我が家を建てる”そのあまたの選択肢の中で「家づくりの会」にたどり着いた方々から、
いざスタートという段階で一番多く出される質問は、「誰に設計を依頼したらいいのか?」です。

家を建てる様々なコースの中から「やはり建築家にお願いしよう!」という答えを出した方々ですから、
それぞれの思い入れや住宅設計のプロへの期待感などにあふれているのか!と思いきや、
よくお話を伺ってみると、まずその手前に「家族の好みを取り入れてくれるのか?」とか
「自分たちの予算に応じてくれるのか?」といった不安があることが多いようです。   

そんな声を聞くたびに私たちは、“自分たちの基本姿勢を上手に発信できていない事実”を感じます。
この会の趣旨として設計者の方からユーザー会員への働きかけは一切行なっていませんが、
そうした実感からいくつかの試みは始めています。
けれどもあくまで基本的には“建主の皆さんからアプローチ”していただかなければならないのです。

この「設計者選び」について一つの考え方を提案したいと思います。
但し、40数名の我々が設計する家がどれ一つとして同じものにならないように、
設計者選びについても様々な考え方がある中の一案とお考えください。

設計者に何を期待するのか?
自分の家の設計者を選ぼうとする時、建て主の皆さんは多分、個性や作風、得意な構造、
計画地との近さ、年齢性別などの選択を繰り返しながら悩むのでしょう。
勿論それらから判断していくのも確かに一案ですが、
私としては是非その前にお願いしたい「事前作業」があります。
それは、“設計者に何を期待するのか?を家族全員で話し合う”ことです。
買い物でもそうですが、事前に何が欲しいのか?よく考えずに、
目を奪う商品のセールに出くわすことをご想像いただければ、
その意味をご理解いただけることでしょう。

確かに我々は住宅設計のプロですから、どんな要望が飛び出しても基本的には
それを具現化することができます。ただ、その“要望の度合いや優先順位”が建て主と設計者の間で
噛み合ってこそいいバランスの家になりますし、それこそが大きな目標のはずです。
その話し合いを家族で楽しみながら進め、そこから出てきた“言葉たち”を、順不同のまま書き留めてください。
その中にはきっと、あなたの家のエキスやDNAがたくさん網羅されているはずです。
「自分たちの意見をよく聞いてくれること」「コストを厳守」「使いやすさを最優先」「家づくりに参加したい」等々、
先にあげたお決まりの判断基準ではすくい取れない“我が家のテーマ”を見つけることができれば、
設計者選びは半分終わったようなものです。

どうぞそのプロセスを経て、我々の事務局のファイルをご覧ください。
必ず何人かの設計者が目に留まるはずです。

直接対決?だから、視えてくるもの
そして次にすることは、メンバーの中からピンときそうな2〜3人と直接会って、
我が家のテーマをそのままぶつけてください。そして「その反応を十分観察してください」。
直接自分の問い掛けに呼応した話を一般によくわかる言葉で答えてくれているか?、
そのこと自体に本当に興味を示しているか?
を一般社会人の目で嗅ぎ取ってください。

また、必ず実際に建てられた家を何軒か見せてもらうことをお勧めします。
そこに住まうご家族のお話もきっと参考になるでしょうし、何よりもその設計者の住空間を実体験することで、
初めて見えてくるものがたくさんあることに気づくはずです。
そして、それまでに聞いた内容と実例との間に感じたわずかな疑問でも、
遠慮なしに設計者に投げ掛けその回答に耳を傾けてください。
1年、2年と長い時間を共有しながら進めていく家づくりですから、
結果だけでなくその進め方やその過程で見えてくる本人の個性や癖なども大きな基準の一つになります。

エネルギー
それらの直接的なバトルを何度か経ることができれば、
きっと不安なく“我が家の設計者”にたどり着くことができるでしょう。
今さらながらこう述べてくると、我が家づくりに欠かせないのは“エネルギー”だということを
再認識させてくれます。
ましてや多くの場合、建て主の皆さんは初めての大仕事にむかう緊張感を抱えて
そのパワーをひねり出しているはずです。
それを受け取る我々も、一軒一軒長い時間と大きなエネルギーを注ぎ込んで設計活動に向います。
一つの家族の家を設計することに喜びとロマンを感じながら。


 
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