  建築家のコラム
『家づくりの会 連載コラム』
043 住宅なんでもQ&A(第16回)
|
回答者:松本直子/松本直子建築設計事務所 |
|
|
Q.2階リビング(2階建ての場合)の良い点・悪い点を教えてください。
A.
密集地の多い都心部の住宅地では、敷地の南面一杯に隣家が建っているケースが多く見受けられます。
隣家から建物まであまり距離を取れない場合は、日中の多くを過ごすリビングダイニングを、
日当たりの良い2階に持ってくるのが基本形です。
また、敷地の南に道路が面していて建物との間に距離が充分にとれない場合、
日当たりは1階でも充分良好なのですが、実は道路からのプライバシーが非常に悪くなってしまいます。
プライバシーを確保しつつ、大きな窓を取りたいリビング。
2階であれば道路からの視線はある程度カットでき、
隣家ではなく空へと視線が抜ける明るい窓を設けることができます。
一番の利点は、屋根の勾配にあわせて天井を高くし、住まいの中心であるリビングダイニングの空間を大きく取り、
屋根裏を室内に生かすことができる点です。
1階よりも2階の方が、耐力壁の必要量も少なく、
より間仕切りの少ない開放的なスペースを無理なくつくることができます。
但し夏対策として、天井の一番高い部分から熱い空気を逃がす風抜きの窓、または換気扇などを設けること、
エアコンを充分効かせたい場合は、平面的畳数よりも立体的大きさに比例したエアコン能力を確保すること。
屋根面の断熱材を通常より割増したり、または屋根面に通気層を取り、屋根に熱がこもらないようにする等、
注意が必要です。
逆に冬場の足元の寒さが気になるようであれば2階とはいえ、床暖房を考える必要があるかもしれません。
そして、2階にリビングがあるということは、家事の導線から考えて、
同じ階にキッチンや洗濯機、浴室、物干し場があると便利なケースもあります。
この場合、特に浴室や物干し場など防水に充分な配慮が必要で、コストも余分にかかることになります。
また、このような2階リビングのプランの場合、ご夫婦の寝室や子供室が1階となる組合せが多いです。
ご家族が帰宅した気配、つまり玄関の気配が2階に伝わるような工夫があっても良いでしょう。
|