  建築家のコラム
『家づくりの会 連載コラム』
037 住宅なんでもQ&A(第13回)
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Q.外断熱(外張り)と内断熱(充填)どちらがいいのですか?
最近良く聞かれる質問です。書籍でいろいろ言われていますので、皆さんも何だか分からなくなりますよね。
ここでは木造の住宅に限定してお答えします。
まあ、どんな構造でも理屈は同じですので、木造住宅で理解していただければ鉄骨でも鉄筋コンクリートでも
同じように理解できると思います。
では、順を追って一般的な内断熱からお話ししましょう。
建築工事現場で黄色い綿のようなものを銀紙や紙で包んだようなものを柱と柱の間に入れているのを
見た方は多いと思いますが、一般的に良く行われている壁の中(柱と柱、間柱の間)に断熱材を入れる
断熱工法を内断熱工法と言います。
在来軸組み工法でもツーバイフォーでも鉄骨造でも同じ事です。
内断熱でも使用する断熱材によって種類はたくさんありますが、関東あたりだとグラスウール(綿状のもの)を
使ったものが主流でしょう。かつて話題になった内部結露の問題があり、外部に通気層という湿気を抜く層を
造るのも主流になりつつあります。
価格的にはかなりローコストなのですが、関東あたりでは断熱の意識が低く施工面で難しいところがあり、
施工数に対して正しい施工は少ないと思います。
次に外断熱ですが、よく見かけるのは柱の外側(建物全周)に発泡スチロールのようなものを張ったもので、
外壁と屋根はすべて構造躯体(木造部)の外側に板状の断熱材を張り、
継ぎ手はテープで気密処理をしたものです。
床については床下換気をとり、1階の床で断熱する方法と、床下換気口を付けずに
基礎の部分で断熱(基礎断熱)し、床下には室内の空気が廻るようにする方法があります。
外断熱は外周をすっぽり包むので比較的施工はしっかり出来るのですが、この床の断熱は難しく、
内断熱のように欠点が出易いため、私の事務所ではすべて基礎断熱にしています。
基礎断熱のメリットは断熱施工がしっかり出来るだけではなく、床下の土間コンクリートに蓄熱ができ、
温度の安定をはかれるところも魅力です。
OMソーラーシステムのような考え方です。
内断熱と外断熱を簡単に説明致しましたが、どちらもキチンと施工すれば大丈夫ですが、
寒冷地と違って断熱工事の意識が低い、というより不適切な施工をしても大きな問題にならない関東周辺では、
設計者がかなり意識して監理しないと、しっかりとした断熱工事は出来ないように思われます。
内断熱と比べ外断熱の良いところは、
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今まで慣れ親しんで来た施工と違うため、勉強して、調べてしっかり施工しなければならない点 |
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間柱や垂木や根太そして設備の配線や配管などの邪魔物がないので、
断熱材を隙間なく施工する事が比較的たやすい |
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断熱材の性能が高いので薄い断熱材で済み、よく使われる発泡系の断熱材は吸水率が低く、
内部結露にも強いこと |
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時間の経過で断熱材が動いたりしない点 |
などが上げられます。
また、構造金物が断熱材の内側に入るので、外気温の影響を受けづらいので、
結露による錆などの害も防げます。
逆に欠点は
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断熱材の値段が高く、工事費も内断熱に比べると高くなります。 |
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石油系の断熱材が多いので、環境に与える負荷も大きくなります。 |
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施工上、外壁が厚くなるので、断熱材の外側に外壁材をしっかり止めるのに工夫が必要になります。 |
断熱材はいろいろな種類がありますので、価格の問題、施工性の問題、メンテナンスの問題など
考える事がたくさんあり、一概に何が良くて何が悪いと言えないのが実情です。
私の考えでは今後、間違いなく内断熱から外断熱に移行し、それに適したより良い断熱材が
開発されると思います。
また冬を意識した断熱から、夏を意識した断熱にも移って行くでしょう。
断熱と気密、そして計画換気は切っても切れない関係で、他にも構造の事や施工性の事、生活の仕方など
いろいろな事を考えて、断熱の方法も決めなければなりません。
答えにはなりませんが、”内断熱と外断熱はどちらが良いか?”に答えはありません。
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