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 『家づくりの会 連載コラム』


 035 住宅なんでもQ&A(第12回)

Q.新しい土地にこれから家を新築します。外構まで予算がまわらなそうで、
まずは家の方にキチンと予算をかけるべきかと思っているのですが、いかがでしょうか。
家と外構を別々に工事することができますか。

ご相談のように一度に全てを工事してしまうのが難しいとき、外構などをローンから切り離して、
次のボーナスを充てて工事しよう、というように時期を分けて対応するケースがあります。
ただ、ここでひとつ大事なことがありますので、是非注意してください。

家の良し悪しは、建物単体で決まるのではなく外構も含めたトータルなもので決まります。
例えば、庭の木の植え方。窓から見える緑の感じの心地良さや、道路からの目隠し、
こういったことを緻密に考えながら、窓の位置や開閉形式、
ひいては間取りそのものまでいっしょに考えていくのが、魅力的な家を実現する方法です。
「良いマドのある家」は、「マドとニワを一緒にきちんと考えてつくった家」なのです。
また、落葉樹を、良い場所に植えれば、夏は窓辺にさわやかな日陰ができ、冬は暖かい陽だまりができる…、
とても素敵なこの効果は建物の断熱や気密を考えるのに匹敵するくらいの価値があり、
大いに工夫、活用したいものです。

さて、こういった例えは敷地が広い場合にだけ当てはまるように感じられるかもしれませんが、
実は敷地(建物が建っていない部分?外構の部分)の広さにゆとりがないときほど、
外部は内部の延長として一体的に計画されているほうが良いのです。
つまり、建物と敷地(外構)は、お互いに魅力を高め合いながら、ワンセットで成立するものなのです。
建主の方に説明する際によく使う言葉で「敷地全体を料理する」という感覚で、
家づくりを考えていただくとよいと思います。
ですから、仮に今すぐには外構の工事をしないとしても、設計は外構も含めトータルで考えておくべきでしょう。
先ほどの落葉樹の例にもあるとおり、外構の助けを借りることによって
建物にかかるお金を少しでも節約することも可能です。
最初から一緒に考えておきさえすれば、建物にこんなにお金を掛けなくても済んだのに…
といったような「効率的な予算配分」という当初の目的からみて本末転倒な結果を招いては意味がありません。

また、建物ができてから外構が終わるまでの期間がどのくらいなのか、その間をどうするか、
ということをあらかじめ考えおく必要もあります。
外構の恩恵をたくさん利用する計画であればあるほど、
そのツナギの期間のすごし方をキチンと計画しておかなければなりませんよね。

要約すると、

  1. 工期を二分するのは、可能性のある選択肢のひとつである。
2. しかし、考えるときは、建物と外構を二分して考えてはいけない。 
3. 全部が出来上がるまでの間のことをあらかじめ考えておくべき。
となるでしょう。

家の計画にはおのずと予算という現実があり、そのために、工事の時期をずらす等、たくさんの工夫が必要です。
ただ、ご質問のケースは、単に工期を分ける、というものではなく、
いろいろな方面に知恵と注意を使う必要のある大事な内容だと思います。
また、工期を分けるというやり方は主としてローン計画上の、つまり資金繰りの方面からの工夫になるわけですが、
例えば工事の手間そのものを軽減するような家の作り方や、材料の調達の仕方など、
コストダウンの考え方はさまざまな方面にわたりますから、
その出発点というか方針を最初にご自分で与条件のように決めてしまうよりは、
色々な可能性を設計者とともに探るほうが良いと思います。
いずれにしても、コストがからんでくると、時としてなんとかお金の収拾をつけようとするあまり、
大切なことをつい見失ってしまうこともあります。
どうぞなるべくたくさんの言葉を使って設計者と会話をし、プロの知恵を上手に活用してください。


 
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