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 『家づくりの会 連載コラム』


 029 住宅なんでもQ&A(第09回)

回答者:小谷野栄次/結(ゆい)設計事務所

Q. 家を建て替えようと思っています。玄関から入って吹抜けになる造りにあこがれています。
吹抜けにするとモダンに感じる反面、照明の掃除が大変とか、2階の話し声が聞えるなどの
マイナス面を耳にします。
吹抜けのメリット・デメリット、また注意点、設計のポイントなどについて教えて下さい。

最近は、和風・洋風の区別なく吹抜けの空間を持った住宅が多いようです。
建築基準法では吹抜けの2階部分は床面積に算入されないため、
住宅金融公庫の融資対象建物など延面積に制約のある場合に有利であり、
ゆとりのある空間づくりが楽しめます。

計画する上でのポイントは、吹抜け部分2階の窓の意匠と階段の位置、形状と天井の高さに
注意を払うことが大事になります。
吹抜けのない玄関の場合、玄関前の庇などで十分な採光が取れない場合がありますが、
吹抜けがある場合は、2階部分の開口部から十分な昼光を得ることが可能となります。
天井や内壁、開口部の意匠により面白い空間演出ができ、玄関部分の吹抜けに限らず、
居間・寝室等の居室でも同じことが言えます。

但し、吹抜けにすると、天井が高いため照明器具の選択には十二分な注意を払う必要があります。
通常の直付け照明器具のみでは照度不足のため、吊り下げ照明器具と壁付け照明器具の併用など、
工夫が必要になります。
また、取り付け位置が高いためメンテナンスを考慮した器具の選択も大切です。
それに吹抜けを設ける位置によって暖房時の暖気が逃げていくことにもなりますので、十分配慮して下さい。

音の問題ですが、内装材の仕様、内部建具の仕様などにもよりますが、
あまり気にするほどでもないように思います。

最後に、吹抜けは床面積には算入されませんが、外装・内装材ともに施工面積が増えますので、
コスト的には当然費用が嵩むことにご留意下さい。


Q. 木造住宅と冷暖房の関係をお尋ねします。冷暖房効果を上げようと室内の気密性を高めた時、
木材への影響はどうなりますか。湿度との関係についても教えて下さい。

近年、木造住宅の冷暖房化が進み、高断熱・高気密の住宅となってきています。
このことが以前のすき間の多い木造住宅ではほとんど問題にならなかった“結露”を生じさせるようになりました。
この結露がどうして生じて、どう対処すればよいかの質問と受け止めて説明致します。

冷房時の結露は、冷房効果を上げるためにより断熱性・気密性を高めなければならず、
建物内外の温度差が大きくなり、中が冷え、外気の暖かい湿った空気が結露を引き起こします。
この場合、外側で結露する訳です。
また暖房時の結露の場合は、温度差が冷房時の逆となり建物の内側に生じます。
外壁の外側とかサッシの外側で起こった場合は水滴が処理されますからいいのですが、
壁内の断熱材表面で結露を起こすと、木造軸組部に水滴を落とし腐らせます。
シロアリの住み処にもなり得ます。
外壁だけを例にとれば、以前のようにただ断熱材を木造軸組に入れるだけでは、
このような問題を起こしかねません。

最近の外壁の断熱の良い方法として、次のようなことが行われます。
断熱材の部屋側に防湿層、外側に防風層を使用し、
かつ断熱材と外装材との間に2〜5cmのすき間を取り、

上下の開口部を設けて、外気と温度・湿度とも同じように保てば、軸組内での結露を防ぐことができます。

また、外装の気密性のあるもの、断熱材の厚いものを使用すれば、冷暖房効果を上げ、
省エネルギーに役立つのですが、冷暖房以外の時でも結露を起こす場合があります。
このような時には、断熱材の厚さ、材料、使用方法、工法などを設計者らと十分打ち合わせて下さい。


 
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