  建築家のコラム
『家づくりの会 連載コラム』
025 住宅なんでもQ&A(第07回)
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回答者:菊池邦子/テリトプラン |
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Q. 最近、「バリアフリー住宅」という言葉を頻繁に見聞きしますが、実際のところ、どんな家なんでしょう?
「バリアフリー住宅」は、急速に進んでいる我が国の高齢社会において、年を取ってもできるだけ自立して
住み続けられる家として重要視されてきています。
いつまでも元気で自分のことは自分でできれば、本人にとっても周りの人にとっても幸せなことですよね。
ところが、意外や家の中は危険がいっぱいなんです。特にお年寄りにとっては。
65歳以上の方の場合、家庭内事故の死亡者数と交通事故の死亡者数はほぼ同数という調査結果も出ています。
個人差はありますが、加齢と共に視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚等の五感機能や筋力・骨密度の低下が
生じてきます。高齢者の生活実態調査から、65歳を過ぎると普通に歩ける人の割合が減ってきて、
80歳を超えると急速に衰えが進むことが分かってきています。
私の母を見ていて、それが実感できますね。
平らにみえる畳の上でもつまずくくらい、ちょっとしたデコボコや段差が原因で転んで
怪我や骨折を起こしてしまうんです。
Q. じゃ、段差を無くして、手摺りをつければいいわけですか。
確かに「バリアフリー住宅」では段差の解消と手摺りの設置はキーポイントです。
私達が設計する住宅の場合、つまずきを起こすようなちょっとした段差は作らないようにしています。
段差をつける時は階段1段分以上にします。
手摺りの設置には、どこにどんな形のものをいつの時期に取り付けるかが問題ですね。
すぐ手摺りが必要な場合はその人のニーズに合せて取り付ければいいのですが、
将来の使用を考えて付ける場合は取り付けたい場所に下地を入れておく方が賢明でしょう。
一口に手摺りといっても、移動する時に掴まるもの、立ち上がる時や姿勢を変える時に必要なものなど
いろいろですから。
Q. 段差や手摺りのほかに注意することは?
新築の場合はまず、間取り計画の時に年を取っても動き廻りやすい間取りにしておくことが大切です。
寝室とトイレは近くに、階段は上りやすく。
介護の可能性も考えてトイレ・浴室は少しスペースにゆとりを持たせる。
また廊下の幅も一般的な三尺(これは実際には80センチ以下)幅より広めにするとか。
85センチ以上は欲しいところです。
Q. 車椅子を使うようになったら?
家の中で車椅子を使わなければならなくなった場合は、家のつくり方が大きく違ってきます。
特に重症の場合は症状に合ったリフォームが必要ですが、幅広の廊下や部屋の出入り口を引戸にして、
その開口幅を1メートル以上にしておくと、車椅子を回転させることもできますから対応が可能です。
Q. 最近、私はものが見づらくなってきたように感じるんですが、これは年と共に進むんでしょうね。
視覚機能の低下は比較的早い時期から始まり、ものを見るのに必要な明るさは年と共に変化するんです。
20歳の頃を基準にすると、60歳ではその3倍以上の明るさにしないと同じようには見えないんです。
ですから照明計画も大切です。
それなら明るくすればと天井にワット数の大きな照明をたくさん付ける方もいますが、むしろ玄関や階段、
手作業や読書をする場所など明かるさが欲しいところに集中させる方が効果的です。
明るさと反対に眩しさには敏感になるので、光が直接目に入らない工夫も必要になります。
Q. バリアフリー住宅というと高齢者のための住まいのように考えがちですが、
長く住み続けられる家はバリアフリーの家なんですね。
そうです。
ですから最近は、お年寄りだけでなく誰にとっても住みやすいという意味で
ユニバーサル・デザインの住まいと言われるようになってきています。
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