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『家づくりの会 連載コラム』
022 PL法と家づくり その1
新島孝之/計画工房辿(てん)
ところが現場にサッシを付けようとした頃、そのサッシの部品だけメーカーが出してくれないという連絡が
入りました。
サッシは通常のルートではガラス屋さんに部品で納入され、ガラス屋さんが組み立てて現場に運ばれます。
この段階で今回のような改造をしようとした訳ですが、その為の部材がメーカーから入らなければ
どうにもなりません。
早速そのメーカーの担当者に連絡を取ってみました。
理由を聞くと、こうした使い方は想定されて居らず、耐風圧性能が満たされない恐れがあるからとのことでした。
ここでは詳しい説明は割愛しますが、それが建前であることは明白です。
強度も取れるし、出来ない訳無いじゃないと理詰めにしたところ、
工場と相談するのに一両日時間をいただきたいと相手の対応が変わります。
こちらの戦略としては、もしこの交渉が決裂しても
1. メーカーと大量の付き合いがある商社の担当を通して交渉する。
2. メーカーを替える。
3. 古い付き合いのある大手のガラス屋さん(その現場の工務店より大きい)に、そのサッシだけ加工を頼む。
といったように2の矢、3の矢を用意していましたので、どうにかする自信はありました。
その日の夕方、メーカーから電話が掛かってきた時も
「あ、ご苦労様です。今回は有り難うございました」と先に御礼を言ってしまったくらいです。
ところが、理解を示していたはずの担当者は
「済みません。やはり出来ません」と全く始めの状態に戻っていたのです。
理由を聞いてもひたすら謝られるばかりで、何だかこちらがクレーマーになってしまったような気分でした。
そして驚くべきことに2の矢3の矢も全く同じくあっさり折れてしまったのです。
3のガラス屋さんは
「確かにこの間までは何となく出来てたんだけどね。要するに誰が責任取るんだってことなんですよ。
その点メーカーは私等にゃ強いよ。」
…確かにサッシメーカーは今回の対応で足並みが揃ってました。
この件は開口幅を1.5mとすることで決着します。
約10cmの差は設計者として大きな問題ですが、オーダーを考える状況でもありません。
矛を収めざるを得なかった根拠は
技術的なものでも強度的なものでもなく、
PL法によるメーカー規格の遵守でした。
PL法自体は建物に絡んだ法律ではありませんが、建物に使われる量産品に
適用されるとなると我々も無関係ではいられません。
実は制定時には話題になったのですが、実際に影響を受けたのは今回が初めてでした。
建築関係の訴訟事例も増え、もともと裁判の争点の明確化といった目的も持つ法律だけに、
その対応もシビアになってきたものと思われます。
このところ、住宅の品質確保法、シックハウス法とたてつづけに住宅関連の法整備も進んでいます。
いずれも消費者保護としても行政や生産者側の免責のチェック事項としても作用しそうですが、
折角ですからお互いの意識を高め合うきっかけにはしたいものです。
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