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 だまってられない!『辛口e時評』

 054 バブル崩壊後10年・・・好景気とリンクする欠陥建築


[筆者・降圧剤 今回の血圧]↑↑降圧剤↑↑=激怒 ↑降圧剤↑=怒 ↑降圧剤↓=平常心 ↓降圧剤↓=リラックス

朝日新聞6月21日付け朝刊のニュース、「都市公団、工事に欠陥」は衝撃的でした。

バブルの頃に売られた都市基盤整備公団の八王子のマンションで、
築10年の大規模修繕工事に着手したところ、鉄筋やコンクリートの欠陥が次々に発覚したというものです。
その団地に造られた分譲 46棟のうち 24棟を調査したところ、なんと 22 棟(92 %!)に欠陥がみつかり、
危険と判断された3棟は建て替え中です。
欠陥の理由のひとつに、設計が複雑だったというのがあります。
勾配屋根だからというプロとして恥ずかしい言い訳です。
それよりも、職人を奪い合いしていた時期だったので、まともな職人が手配できなかったこと、
つまり施工管理と工事監理の不備が主因のようです。
施工者3社と工事監理をした設計事務所1社は、それぞれ6ヶ月と2ヶ月の指名停止(業務停止ではなく)という
処分です。
しかも、公団の伴総裁に対しては文書による厳重注意です。
道路公団の藤井総裁に対すると同様に身内に異常に甘すぎます。
この不始末処理の費用がどこから出るのか認識しているのでしょうか。
国土交通大臣の扇さんは、おしゃべりの歯切れがいいだけの大臣のようです。

公団マンションだから建て替えにまで至ったのでしょうが、民間の場合はうやむやにされる確率が高いでしょう。
入居者が資産価値の下がることを嫌って、公にしたがらない傾向が強いからです。
糾弾する共闘より、(消極的に)隠蔽する共闘になりがちです。
かくして、欠陥を供給した側は安泰というわけです。
その後に消費税がアップされた寸前の“ミニバブル(駆け込み着工)”の時に造られた住宅も欠陥が心配されます。

日経アーキテクチュア7月21日号は、『バブル建築の後遺症』という特集です。
建て主が倒産して売りに出され、2年以上かかってようやく買い手がついたものの、
原形はまったく残さずに改築され老人ホームになるという旧布谷ビル。
ピーター・アイゼンマンの設計でしたが、バランスの悪い歪んだ外観への拒絶反応も強いものでした。
かつて読売アンデパンダン展という前衛アートの“なんでもあり”展覧会がありましたが、
中止になった理由は、「汚物」を作品として出品したという“事件”でした。
このビルを見た時にはそれを思い出したものです。
とはいえこの改築への、
「…(もとの)デザインは守られるべき…」
というアイゼンマンのコメントが空しく聞こえます。

バブルなんて、何もいいところはありません。
悪徳不動産会社に勤務していたという元社員が「毎月のように海外に遊びに行っていた」と豪語しているのを
小耳にはさんだことがあります。
そのような会社の多くは崩壊していますから、そこのサラリーマンだけが潤ったということでしょうか。
なんとも空しい10年です。

(2003.09.01)

 
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