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 だまってられない!『辛口e時評』

 053 シックハウス関連で建築基準法大改正・・・誰が得をするのか


[筆者・降圧剤 今回の血圧]↑↑降圧剤↑↑=激怒 ↑降圧剤↑=怒 ↑降圧剤↓=平常心 ↓降圧剤↓=リラックス

7月1日をもって、改正建築基準法のシックハウス規制が施行されました。
そのなかの、ホルムアルデヒド対策の問題点(換気設備の義務付け)が指摘されています。

ホルムアルデヒド対策とは次の3点です。
1)ホルムアルデヒドを発散する内装仕上げを使う場合の使用面積の制限。
2)全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付け(原則)。
3)天井裏等から居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐための措置。

「換気」は、汚れた室内の空気を排出するのだからいいと思われるかもしれません。
しかし、排気は給気(外気取入れ)とワンセットです。
給気(外気)のほうが汚れている場合もあります。
また、冷房時には暑く、暖房時には冷たい外気を取り込みます。
それは、換気設備を常時運転すれば、冷暖房の効率が落ちることを示しています。
省エネルギーの観点では明らかな損失です。
また、外部の騒音や臭気も入りやすく、換気扇の運転音が睡眠の妨げになる人もいるでしょう。
換気扇やダクトの清掃などメンテナンスを怠れば、ホコリやダニがかえって健康被害の原因になるかも
しれません。

そもそも、“化学物質を放出しない建材や家具を使った住宅”でも、常時換気しなければならない、
と決めたのはなぜなのか納得のいく説明はありません。

(財)ベターリビング(国交省の外郭団体)から配付されている
『シックハウス対策のための住宅の換気設備マニュアル』という資料があります。
作成委員11人の所属をみると、国土交通省住宅局4名、同国土技術政策総合研究所3名、建築研究所1名、
と行政関係が8名を占めていて、ほかには住宅産業等の団体をまとめた(社)住宅生産団体連合会から1名と、
松下エコシステムズ(株)、大建工業(株)のメーカー各1名です。
消費者に接する最前線の実務者である建築設計者を入れず、
行政と業界だけというご都合主義の人選は正常ではありません。

この法律をクリヤーするための建材の認定をうけるには、材料1件につき42万円もかかります。
中小企業にとっては大変な負担です。
この認定機関(建材試験センターなど)も省庁の外郭団体です。
官僚と天下り外郭団体は、法を改正しながら食いぶちを増やし続け、
行財政改革を叫んでいる(ふりの)政治家は見過ごすだけです。

この法改正で、設計や確認申請の手間も大幅に増え、工事費も増加します。
住宅の維持コストもアップします。それらの増額(維持費を除いて数十万)は消費者の負担です。

“シックハウス対策という大義名分”に隠されたこの法改正で潤うのは、換気空調設備のメーカーでしょうか。
いや、その陰で太り続ける天下り認定機関です。
ホルムアルデヒドに引き続き、トルエン、キシレン、…と“ おいしい認定ネタ”がこれからも続くのですから。

いみじくも社会学者の宮台真司が、「役人が法案を作る場合、世論に応えるより、
それをネタに自己利益を極大化させる本能がある」(月刊「サイゾー」 0307)
と語っています。嗚呼。

(2003.08.01)


 
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