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だまってられない!『辛口e時評』
051 きわどい建築 その1・・・“スター建築家”志向
[筆者・降圧剤 今回の血圧]
↑↑降圧剤↑↑=激怒 ↑降圧剤↑=怒
↑降圧剤↓=平常心
↓降圧剤↓=リラックス
東京大学教授で建築家の内藤廣さんが『建築家』(日本建築家協会機関誌)で、
最近の若い建築家の“スター建築家”志向に危惧を表しています。
「努力した結果としてでなく、スター建築家になること自体が目的化している」
「スターよりも、まともな建築家が多いほうが良いと思っている」
と極めて妥当な意見です。
言外には「注目を集めるために、クライアントではなくジャーナリズムの方を向いて、
キワドイ設計をしている」という批判が読みとれます。
建築家は、建築主や社会の要請にこたえて設計するという、当然のことを忘れた建築が横行している昨今、
鋭い指摘です。
日経アーキテクチュアの5月26日号では、『がっかり建築…利用者たちからの忠告』という特集が組まれ、
パブリックな建築のさまざまなトラブルを取り上げています。
コンペの段階では高く評価されながら、完成したものは「バリアフリーが不十分」と
地元のメディアなどに批判されているという『沖縄県総合福祉センター』(設計者:team DREAMJV)。
度重なる盗難被害にあった、強化ガラス張りの『古河総合公園飲食施設』(設計者:SANAA)。
コンサートの“縦ノリ”で周辺の住宅が揺れる『大阪ドーム』(設計者:日建設計)。
保育園の屋上手摺にワイヤーの横格子を使ったケース(設計者:匿名T氏)などで、
設計意図と使い方との乖離、説明不足による誤解、経験不足に起因する設計ミス、監理ミスなど
原因はさまざまです。
公園施設の盗難は設計者の責任ではなく、犯罪者の問題でしょう。
合わせガラスを使えば盗難は防止できても、割れないわけではないので、
そのつど交換はしなければなりません。
イニシャルコストだけでなく、被害の度に高い費用がかかります。
ガラスを多用したのが悪いというなら、開放的な美しいデザインそのものが成立しません。
“縦ノリによる揺れ”は予測も困難で、地盤の状況にもよるので、設計ミスというのは少し気の毒です。
でも、保育園の横格子手摺は設計者の無知、非常識というべきです。
改修費用は建築主(保育園)の負担。
かなりのローコストのようですが、安全性と美しさを両立させるのが設計者の役割です。
それが無理なら断るべきです。
取り上げられている8件のなかに、98年に日本建築学会賞を受賞した建築が2つありました。
続きは次回に。
(2003.06.13)
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