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だまってられない!『辛口e時評』
036 悲しい“住宅コンペ”・・・建築家残酷物語?
[筆者・降圧剤 今回の血圧]
↑↑降圧剤↑↑=激怒
↑降圧剤↑=怒
↑降圧剤↓=平常心 ↓降圧剤↓=リラックス
あちこちの組織やサイトが“住宅コンペ”を催しています。
それらのコンペでは、選ばれた人が仕事を得ることになりますが、
参加した他の設計者は無報酬のうえ、賞金もありません(あっても実費にもならないほど)。
コンペの主催者は、
「建築家の捜しかたがわからない建築主と建築家を結び付ける場を提供するプロデュース」
と口当たりのよいことを言っていますが、額面通りにはうけとれません。
設計者から運営費として参加費をとるところもありますが、それはむしろ当然でしょう。
しかしひどいのは参加費は無料でも、プロデュース(実は単なる仲介料ではないか)と称して、
建築主からかなりの費用をとりながら、一方で選ばれた設計者の設計料を低く押さえていることです。
ところが、解かっていない一般のメディアには新機軸としてもてはやされている気配なのです。
この不況下で、多くの建築家は不本意ながら屈辱的な思いで参加しています。
設計者達の労力を無償で利用して、設計報酬を“かすめとっている”のではないかというのが、
冷静に見ている(不参加の)心ある建築家達の批判です。
これらの“擬似コンペ”は、建築を見る目をもたない建築主(だけ)が審査員なので、
設計意図を適確に読み込めず、結果として落選作のほうが当選作よりも優れているということがよくあります。
“正しいコンペ”は、建築を見る目をもつ審査員(一流の建築家など)が中心になって審査します。
応募者は、審査員の顔ぶれを見極め、正しく評価してくれそうだと判断して応募します。
参加費はたいてい無料です。
また、佳作入選者にも賞金が用意されます。
それは、応募する大勢の建築家達の多大な労力に対する敬意でもあります。
入賞すれば、建築雑誌などに発表されるという名誉もあります。
したがって、若い建築家達の登竜門にもなっています。
このように、公開コンペは公開性、公平性、賞金、結果の公表が担保されていて、
建築文化に大きく貢献しています。
“擬似コンペ”の多くが、設計という創造活動の文化的意味を理解していない、
経済行為にしか興味を持たない(としか見えない)人達によって運営されているのが、悲しい現実です。
建築家が消費されています。
建築主と応募設計者とのコミュニケーションなしにつくられた案を、
一方的に建築主の主観で選ぶだけのコンペは、展示場でメーカーを選ぶこととほとんど変わりないことでしょう。
(2002.10.01)
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