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  建築家のコラム
『建築家と家を建てることについての10章』
written by 中原洋
03 建売住宅、あるいは家を買うことについて嘆きたい
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嫌われそうな発言だけれど、近頃、ぼくは誰でもが認めるようにな「いい家」に、
みんながみんな住みたいと思っているわけではないのではないかと思うようになった。
と、いうのもあまりに個性のない、雨露しのぐだけの家が巷にあふれているからだ。
家はそれなりに美しくありたい、というのがぼくには前提にある。
もっとも、 これはぼくのパーソナルな考え方だからと断りを入れるべきだろう。
間違いということも大いにありえるし、相当な偏見の上に立っているような気がしないでもない。
とはいえ、家は自分の好みで住みたいし、暮らしのイメージを巡らした上で
建てたいもののはずだった。なにしろ日本は、普通の人がすぐれた建築家に設計を依頼して、
家を建てられる世界に稀な国だからだ。
建築雑誌を2〜3年分ほども買い集めて眺めさえすれば、すぐにいい建築家は見つけられる。
大工さんをはじめとする職人さんたちのレベルも決して低くはない。
それなのに家を建てる努力が見えない。買い物をするように家を買う。
いい家が建つと人生が変わる。
日々の暮らしが変わる。
お絵かきや楽器の習い事もいいけれど、 お子さんの感性にいい影響を与えようとするのなら、
美しい家のほうがよほどいいのにと思う。
その結果、つい、他人様の家の建て方に八つ当たりしたくなる。
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