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2008年8月の編集後記

あらためまして、こんにちは。すまいとの岩谷です。

早めの夏休みを取って行ってきました、徳島・高知・愛媛の「三/四国」巡り。
関西に住んでいたころ、四国はそんなに遠い場所ではなかったのに、香川しか行ったことがなかった。
徳島で開催される『デザイナーたちのおとしもの2』というイベントのお誘いがなければ、
「帰省したついでに行けるから。」と、なかなか腰を上げなかったかもしれない。
(”ついでに”行ける距離でないことを、今回実感したのだが。)


一日目・徳島。
『デザイナーたちのおとしもの2』が始まるのは午後2時。
朝一番の飛行機が徳島空港に着いたのが午前8時半。
空港の外に出ると、南国的な風景が広がていた。
強烈な日射しにひるんだものの、松茂町第二体育館に向かった。

飛行機から富士山が見えた。
嬉しい。

飛行機から富士山

松茂町第二体育館(設計/竹原義二)
恩師の設計であるがゆえ、徳島に行くなら見たいと思っていた。

飛行機から富士山ほどよくお腹も減り、猛烈に喉が渇いたので、
デザイナーの村澤一晃さんに教えてもらった徳島駅前の喫茶店に入った。
ここは、サンドウィッチのメニューが多い。
「おすすめ」でさえも6〜8種類くらいあり、とても迷う。
選んだのは自家製ローストビーフとクリームチーズのサンドウィッチ。
ビールはグラスで頼むと、中ジョッキと変わらないくらいの量で出てきた。
サンドウィッチは、ビールにぴったりの素朴で家庭的な美味しさだった。

午後は、『デザイナーたちのおとしもの2』。
テーブル工房kikiと宮崎椅子製作所、2つの会場をでっかい観光バスが巡回し、
日本各地から来たお客さんを運んでいる。
両会場とも小泉誠さんが設計した建物があり、テーブル工房kikiには開場を待つ人がたくさんいた。
(『デザイナーたちのおとしもの2』の様子は、別の機会にお届けします。たぶん。)

二日目・高知
四国は海沿いに鉄道が走っているものと思い込んでいた。
実際には途中で途切れている上、鉄道とバスを乗り継ぐと一日がかりになるので、
海沿いに移動しようという目論見は崩れ、高速バスで高知に向かった。

高知県立牧野植物園(設計/内藤廣)
敷地に溶け込む外観、内部のダイナミックな架構と低い軒先の絶妙なバランス、その先に緑。
展示室の内容も非常に充実していて、植物に疎く、建築目当てで訪れた私でもワクワクさせられた。
植物の豊かさや多様さ面白さを堪能でき、次のバスの時間が迫っていなければ、もっと長居していたかった。
高知県立牧野植物園 高知県立牧野植物園
高知県立牧野植物園 高知県立牧野植物園

高知の夜
宿の近所には、気になる店がいくつかあった。その中の1軒「くもん屋」。
土曜日だったからか、「あんまり材料が残っていないんだけど。」と出てきたしらすは山盛り。
しらすの下に小松菜が埋まっていて、まぜまぜしていただく。塩気が美味い。
そして鰹!タタキではなく生でお願いすると、こちらではスダチを絞って食べるらしい。私も次からそうしよう。
その他のものも味にパンチがあり、食材はすべて地のもの、大将と女将さんは気さくで楽しい時間を過ごした。
その後、バーへ移動。東京で14年修行していたというマスターの腕は上々で、
翌日は高知の日曜市へ行く、と言うと、いろいろ教えてくれた。
両方ともいい店で、うちの近所にあればいいのに・・・。
高知は住みたい街ランキング急上昇だ。

高知の日曜市
毎週日曜日、500もの店が1300mに渡って軒を連ねる高知の日曜市へ行く。
トマト、きゅうり、茄子、見たことのないとうもろこしや瓜、おまんじゅう、田舎寿司などが山積み。
テンションが上がろうというものだ。
歩き始めてすぐ、無農薬のブルーベリーを発見。プリプリとした実はすごく美味しそう。
翌週のイベントでかき氷用にコンフィチュールをつくることになっていたので、買おうかどうしようか迷う。
この後松山へ移動して、明日飛行機で帰京するのに、生のブルーベリーは大丈夫だろうか?
お店の人に聞くと、車の中などに置きっぱなしにしなければ大丈夫だと言う。
「じゃあ、後で買いに来ます。」と言うと、私の隣の女性が、
「後で来たら、もう売り切れているかもしれないわよ。」と言う。
慌てて「じゃ、1kgください!」。
ビニール袋に入ったブルーベリーをつまみながら、どうやったら潰さずに持って帰れるかを考えながら
通りを進むと、銅の如雨露や桶を扱っている店があった。
これこれ、これよ。
この桶に氷か水を張って保存しすれば、潰れず痛めずに持って帰れるじゃないの!
随分前から桶かブリキのバケツを探していたから一石二鳥。
小笠原板金手造工作所のものは、すべて手作業でつくられているという。
以前は全国の百貨店を廻っておられたそうだ。
手にしっくりくる大きさの桶(柄杓付き)を買って、その中にブルーベリーを入れて持ち歩いていると、
「あら、いいもの持ってるのねぇ」とか「今からお墓参り?」とか、よくおばちゃんたちにからかわれた。
確かにお墓参りっぽいな・・・。空港で預ける時にも、結構変な顔をされたし。
さて、奥へ奥へと進むと、昨夜バーで教えてもらったひろめ市場に着いた。
パックで売られている刺身やお惣菜を買ってその場で食べられる屋台村のような場所で、
ぜひ行ってみたほうがいい、と薦められていたのだ。
朝一番、刺身をつまみつつビールを飲んでいるおじいさんがいる。
朝定食を囲んでいる家族がいる。
店では脂ノリノリの鰹が藁で豪快に焼かれている。
薄暗い猥雑な空間で、もちろん私もビールと鰹だ。美味い!幸せだ。
日曜市 日曜市 日曜市 日曜市 日曜市

三日目・松山
伊丹十三記念館(設計/中村好文)
川沿いに建つ真っ黒な外観をした建物は、中村好文さんの設計。
中庭式の四角形の2階建てで、高さを抑えられているため、ちょっと大き目の邸宅といった風情だ。
この日はちょうど館長の宮本信子さんが来ることになっていた。
中に入ると、いきなり宮本信子さんに「ようこそいらっしゃいました!」と迎えられた。
展示室では、「やぁ!いらっしゃい!」と笑う伊丹監督の顔写真に迎えられる。
背後では「ここは彼の家なのです。」という宮本信子さんの映像が流れている。
伊丹監督の生い立ちを追う展示は、絵があり、映像があり、文章があり、愛用の食器があり、
時に感嘆し、時にくすりと笑わせられ、「伊丹さんからのおもてなし」を受けている気分だ。
「マルサの女」と「あげまん」くらいしか知らずにここへ来たことを残念に思った。
カフェ・タンポポでは、三種のみかんのジュースと三種のお菓子をいただく。
どれも丁寧につくってあって、中庭の桂の木が揺れるのを眺めながらゆっくり味わった。
(伊丹監督が好きだったシャンパンも飲みたかったが、日曜市で買物しすぎて財政破綻。)
伊丹十三記念館 伊丹十三記念館
伊丹十三記念館 伊丹十三記念館
自らイタミストというほど、伊丹十三のエッセイのファンだった中村好文さんの伊丹監督への尊敬や思慕が
まっすぐに現れた、やさしくていい建物だった。
また、スタッフも親切で気持ちよく、とてもいい時間を過ごすことができた。
今、伊丹監督の映画DVDを借り、彼の書いた本を片っ端から読んでいる。

※伊丹十三記念館では、表紙違いのガイドブックが販売されていて、デザインは山口信博さん


[高知]高知県立坂本龍馬記念館(設計/高橋晶子+高橋寛)
10分で出てきた。牧野植物園と龍馬記念館の入場料は同じ。なのに、こんなに充実度が違うとは、ちょっとショック。期待していただけに、落差は大きかった。
しかし、屋上から眺めた桂浜は美しかったけど。
[高知]龍馬像
等身大だと思っていた龍馬像、実物は巨大だった。太陽を背負った龍馬さんが眩しい。しかも桂浜には立っていなかった。
[高知]太平洋セメント 土佐工場
バスが高知港に差し掛かったとき、すごいものが眼に飛び込んできた。
慌てて次の停留所で降りて見に行くと、太平洋セメントの巨大な工場だった。
夕暮れにそびえたつその様子に、”工場萌え”。
[高知]7days Hotel
以前、雑誌アルネに掲載されていて、高知で泊まるならここ、と決めていた小さなホテル。とても居心地がいい。
パンと飲み物とバナナ、というシンプルな朝食で、朝7時には宿泊客が押し寄せ、みんながみんなバナナを手に取るのが微笑ましい。

[松山]坂の上の雲ミュージアム(設計/安藤忠雄)
スロープでぐるぐる廻りながら展示を観る形式なのだが、大きな展示物が壁にかかっている場合、後ろへ引けず、やや観にくい。入口からずっと高い天井がずっと続くので、展示物にやや集中しにくい。もう少しメリハリがあってもよかったのでは? 展示内容は、私が「坂の上の雲」のストーリーを全く覚えていなかったせいで、やや理解不能。山裾から突き出たように見える外観は面白いが・・・。

[松山]道後温泉本館
夕暮れ時、路面電車で道後温泉本館に向かう。
「千と千尋の神隠し」のモデルと聞いていたので、路面電車に乗るだけでそんな気分。
JR四国高知駅や沢田マンション他の建築は見切れなかった。土佐清水にも行ってみたかった。
土佐くろしお鉄道をはじめとする海岸線電車巡りをしてみたい。
四国は広いなぁ。

終わり。


 
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