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2008年5月の編集後記

あらためまして、こんにちは。すまいとの岩谷です。
寒風沢島は本当にいい島でした。

きっかけは、『日本《島旅》紀行』(斎藤潤/著 光文社新書)
この本の中で、”小さな島ながら、漁業が盛んで、水が出て、米や野菜が収穫でき、
すぐにでも日本から独立できる島”だと紹介されてて、興味が湧いたからだ。
なにより民宿の料理が美味しいらしいのだが、GWは宿が取れなかった。残念だ。

5月5日、夜行バスで仙台に着いたのが明け方。
すぐに塩竈へ移動し、マリンゲート塩釜で午前7時15分発の船を待つ。
天気は雨。しかも寒い。飲まず食わずでお腹も減った。しかし開いている店はない。
見渡すと地元の釣人が同じ船を待っているようだ。

定刻になると、みんな慣れた足取りで船へ乗り込んでゆく。
質実剛健そうな塩竈市営汽船の船内は、ビニールシートの座席、つけっ放しのテレビ、
愛用されていそうな灰皿など、雰囲気は昭和。
出航すると、すぐに猛然と(おそらく)カモメが追いかけてくる。
途中の桂島では、何匹もの鯉のぼりが横にずらーっと並んではためき、
海上には奇妙な形の島がいっぱい。
空腹を忘れてテンションが上がってきた。

1時間弱で寒風沢島に到着すると、雨が上がっていた。
港に何か飲食店でもあるかと期待していたのだが、
あったのは酒・煙草屋さんと食料品屋さん。
祝日の午前8時とあって閉まっている。
お腹を満たすことはあきらめて、ハイキングコースを辿ってみることにした。

歩き始めてすぐに、アスファルトから土に変わった。
楽しい。土を踏みしめて歩くのは何年振りだろう。
コース案内通り、砲台跡のある小山に分け入る。
ふかふかに積もった松葉、瑞々しい新芽、雨のにおいなど、
ひとつひとつに感動している私は、相当疲れていたのだろうか?
こんなこと、23歳まで暮らした実家では普通のことだったのに。
あほな都会人になっちまって・・・。

ほどなく鳥居が見え、遅咲きの桜が地面が染まるくらい花びらを落としていた。
誰もいない、鶯の鳴き声と潮騒しか聞こえない。
けれど、島の人の手で大事に大事に育てられている場所。
コース全体がこういう雰囲気だった。

小山を下ると美しく開墾された畑が続く。名前を知らない野菜がとても美味しそうだ。
その先が海水浴場。
海→畑→水田→海→水田→小山→畑と続く。
コース最後の方、集落に近いところには、とりどりの風車が供えられた「六地蔵」。
手を合わせて港に戻った。

コース案内には所要時間1時間とあったが、私はずいぶんのんびり廻っていたらしく、
所要時間2時間強。
塩釜に戻る船が到着するまで間があったので、集落をぶらぶら歩いてた。
なぜだろう。青く塗装しているところが多い。
寒風沢島のテーマカラーは青なのか?

港で船を待っていると、こどもが向かいの島に向かって「ヤッホー」と叫んだ。
・・・ヤッホーヤッホーヤッホー
それにかぶせるように、ホー・・・ホケキョッケキョッケキョッ

自転車に乗ったおじいさんが、珍しいものでも見るように私に近づいてきて、
何しにわざわざこの島に来たんだ?というようなことを尋ねた。

写真を撮りに来たはずが、深呼吸ばかりしていたような気がする。
次回はぜひとも民宿に泊まりたいものだ。

マリンゲート塩釜
マリンゲート塩釜
鯉のぼり
島
鳥居
畑
六地蔵
網




寒風沢島を出た後は、
[松島]瑞巌寺
回廊と室とのつなげ方や高さの設定が新鮮に感じられた。
住宅でも応用できそう。
[松島]円通院
石窟が迫力。
高低差を活かした庭園もいい。
[塩釜]菅野美術館(設計/阿部仁史)
緻密に考えられたであろう内部の空間構成が刺激的。
内向的でありながら、広がりを感じる。
[仙台]仙台光原社
盛岡を拠点とする民芸を主とする雑貨のお店。
扱っているものも建物もいい雰囲気。お店の方も気さく。
[仙台]壱弐参(いろは)横丁
長さ120mの2本の路地の両側に、100店余りが軒を連ねているという。
古い建物に裸電球、井戸などノスタルジックで妙に魅かれる。
京都に本店があるイノダコーヒーでしばし休息。
[仙台]地底の森ミュージアム
建築は期待はずれ。
展示物が巨大な湿地林の遺跡だから仕方がないのかもしれないが。
内部が妙に蒸し暑かった。

[仙台]瑞鳳殿
閉館直前に駆け込んだことが幸いして、人が少なく、ちょうど夕日が差し込み、
絢爛豪華な装飾が光り輝く。
長い参道を駆け上がった甲斐があった。

[仙台]せんだいメディアテーク
想像していたよりずっと居心地のいい建築だった。
4台のEVから見える景色が違うので、どのチューブに乗るか考えることも楽しい。
最上階のスタジオには勉強中の学生さんが大勢いたし、2階の図書館も盛況のよう。
こんな図書館が身近にあって非常に羨ましく思う。


今回は廻れなかったが、「水の洞窟(北上川・運河交流館)」(設計/隈研吾)や
岩出山中学校(設計/山本理顕)、感覚ミュージアム(設計/六角鬼丈)なども見どころらしい。

牛タンも魚介類も美味しかったです。


 
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